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富山の路面電車

ご縁のあった老師様の本葬儀準備のため前日より富山に来ております。

現在、日本では約20ヶ所で路面電車が存在していますが、ここ富山でも元気に活躍しています。

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富山地方鉄道富山市内軌道線では、昨年末より超低床式のCENTRAM(セントラム)が運行開始となりました。

平成26年には、北陸新幹線改行にあわせ、富山ライトレールと地鉄市内軌道線のレールが接続され、駅を挟んだ南北の直通運転がされるそうです。

路面電車のために道路上に張り巡らされる架線も「目立たなく」なるように工夫されており、景観も損なっていません。

このような交通システムが各都市で拡充されると良いと思います。


例えば、横浜市の環状二号線にニュートラムを運行しては如何でしょうか。
磯子~上永谷~東戸塚~西谷~新横浜~鶴見


Name kameno : 11:38 PM | comments(0) | trackbacks

葬儀費用明示化の流れ

イオン「葬儀ビジネス」に参入 「ブラックボックス」業界大変化
豪華な祭壇、たくさんの生花、おいしい料理と追加していくと、知らず知らずのうちに葬儀が高額になり、後日送られてきた請求書を見て青ざめるというのはよくある話だ。それもこれも料金が不透明なためで、なかでも祭壇は「ブラックボックス」と言われている。ようやく最近、わかりやすい料金体系を売りにしたベンチャー企業もいくつか出現。さらに大手小売のイオンも葬儀ビジネスに参入し、葬儀業界が大きく変わりそうだ。
(J-CASTニュース)



大手スーパー「イオン」の葬儀に対する取り組みが注目されているようです。
これまで、この手の葬儀費用明示化はいろいろと為されてきつつありますが、大手スーパーがこの業界に参入したということは着目すべきことだと思います。
「3年後には年間葬儀件数の10%を手がけたい」という意気込みもまんざら大げさではなさそうです。


その背景には冒頭のニュースに書かれているようなことがあることは確かでしょう。
まず、一般的に葬儀にどれほどの金額が掛かるかという統計をみると、


葬儀一式費用+別途立替費用(145.3万円)
 +
通夜からの飲食接待費(40.1万円)
 ↓
平均総費用(182.4万円)

※葬儀費用の全国平均 出典:2007年 財団法人 日本消費者協会 第8回「葬儀についてのアンケート調査」報告書
※宗教費用(お経料、戒名、お布施等)は除く

 
 
となります。
これに対し、イオンの葬儀の場合の試算は、  


葬儀費用(29.8万円 39.8万円 59.8万円 79.8万円 108万円 148万円)より選択
 +
おもてなし費用(参列者100名、遺族親戚20名の場合)25.0万円
 +
別途費用(15.9万円)
 ↓
お葬式にかかる総費用 100.7万円(葬儀費用59.8万円の場合)

となり、全国平均費用に比べて安く、透明化された費用にて葬儀ができることをアピールしています。


葬儀費用には、これにプラス、宗教費用(この表現はあまり好きではありませんが)があり、例えば仏式の場合は寺院へのお布施がこれにあたります。
なお、寺院へのお布施は僧侶への謝礼ではないこと、あくまでも「宗教法人」たる「寺院」の会計に入るものであり、寺院護持に欠かせないものであるということを予めご理解ください。

 


さて、既に菩提寺をお持ちの場合は別として、イオンの葬儀の中には菩提寺を持たない方にはお坊さんの紹介 というシステムまであり、「お布施は本来「喜捨」であり「標準」や「統一」すべきものではありませんが、お客さまにご安心いただけるように目安を表示しました」という前置きはあるにせよ目安価格が提示されています。

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ですから、標準的なプランで標準的な参列者(参列100名、遺族親族20名の規模)、普通戒名の葬儀の場合にはお葬式に掛かる総費用は 100.7万円+25万円=125.7万円ということになります。


確かに施主にとってみれば料金がある程度明示化されることは嬉しいことだと思います。
それに対する取組みは評価に値すると思います。
今後はこのような流れとともに、葬儀業者、寺院、僧侶のグループ化が加速していくものと思われます。

懸念すべきは、戒名によるお布施の料金目安が提示されたことによる寺院側とのトラブルです。
地域・宗派にもよりますし、別の基準を目安としている寺院もあります。
例えばイオンのこのプランで葬儀が執行された場合、既存の菩提寺へ目安金額でのお布施を持っていった時に寺院側で「この金額では葬儀をお受けできない」とされた場合はどうなるのでしょうか。
心配です。
良く聞くのですよ、この手のトラブル。


この寺院費用の基準を見て「やたら安いな~」と感じるご寺院様がいらっしゃったら、きっと要注意です。
全国的に、スーパーでこのような金額が明記されたパンフレットが配布され、インターネットでも情報が出されていることを念頭においておく必要があります。

 
なお、貞昌院としては、このイオンで提示されているお布施の目安はだいたい平均するとこのようなものか、という感じです。
(あくまで、一寺院、一僧侶としての感覚です)
このイオンの取組みは、ブラックボックスになりがちな葬儀費用の内訳を明示化するという意味では評価できるものであります。
檀家さんがもし、イオンを通して葬儀を行なうとして、上記金額の通りの葬儀をお考えであっても問題はないと考えます。
また、菩提寺をお持ちでない方が、イオンを通して貞昌院をご希望であればお受けさせていただきます。


 


 


<ここから先の話は貞昌院でのことでありますので、そのことを念頭においてお読みください>
 

このブログをお読みの方に、もっと取っておきの情報をお知らせいたします。
それは、意外と思われるかもしれませんが、「お寺で葬儀を」行なうことが一番費用削減なるということです。
客殿を使った葬儀も可能ですし、なんとなれば、祭壇は「須弥檀」という形でも可能です。
冒頭の試算の中の葬儀費用の大部分の削減に繋げることも可能でしょう。


イオンの葬儀プランナーに相談されるのもよいですが、まずはお寺に相談して、ざっくばらんに相談されるということも宜しいのではないかと思います。
葬儀費用について疑問等ありましたら、そのままにしておかないことが、結果的に費用削減に繋がるということになります。



■関連リンク

護持会費・墓地管理費などのごあんない(貞昌院Web site)

Name kameno : 12:10 AM | comments(3) | trackbacks

60兆円産業に再編・買収の嵐

本日発売された『週刊ダイヤモンド』 1月24日号で 「寺・墓・葬儀にかかるカネ」 ~ 60兆円産業に再編・買収の嵐が吹き荒れる ~ が特集として取り上げられています。

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昨年も1月早々から「寺と墓-誰も知らない巨大ビジネス」が特集化されておりましたので、新年恒例の特集記事になるかもしれません。

どんなにカネ持ちでも「死」だけは避けて通れないが、カネがあれば盛大な供養を営むことは可能だ。しかし、その多くは寺や業者などの思惑が優先し、故人の思いが本当に反映されているとは限らない。現状の問題点を明らかにするとともに、従来型とは一線を画した新たな動きも取り上げた。

なるほど・・・・・・早速購入して読んでみました。


■序章 ムダなカネを払っていないか 今から考えたい供養のあり方

葬儀の準備を事前に進めておくことは、これまでタブーとされる傾向にありました。
結果、死を迎え、家族近親者がなんだか分からないままに、葬儀社の言うがままに葬儀を進めてしまい、振り返って考えると「こうしておけば良かった」と反省する事例が増えています。
超宗派の僧侶で設立した団体の相談窓口には
「葬儀社の請求にびっくりした」
「葬儀に来てもらった僧侶と連絡が取れなくなった」
など、葬儀にまつわる不安が多数寄せられています。

寺・墓・葬儀の考え方として、
(1)どんな供養をして欲しいのか ---「寺」
(2)どんな墓に眠りたいのか  ---「墓」
(3)どんな葬儀にしてほしいか ---「葬儀」
ということを前もって真剣に考えておく必要があると指摘しています。
このキーワードをもとに、特集の項目が並べられています。


■Part1 「寺」 加速する仏教離れ、寺離れ 檀家依存の収入基盤は崩壊
ここで目を引くのは「【大図解】数字で見る数字で見る、寺の収入モデルと迫り来る危機」という図です。

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寺を中心に、お金がどのように動いているのかということを図解しています。
寺の収入として、その大部分を占める檀信徒からの布施収入、そして、出入業者からのキックバックが描かれてます。
ここで、注意するべきは、出入業者からのキックバックです。
例えば仕出し業者から寺に5~30%のキックバックが寺に入るとしています。
返礼品業者は10~50%、このほか石材店、葬儀業者など…
このキックバックは次のColumnと関係してきますが、檀信徒の信頼関係を損なうものです。
もし、キックバックを平然と受け取るような寺院なり僧侶がいるとすれば、それは問題です。
逆に、お寺や僧侶の見極めをするのであれば、この辺りがキーワードになって来るでしょう。
次のColumnへと続きます。


◆Column  資格なしの「ニセ坊主」も跋扈 僧侶の質の低下でクレーム多発
特に都市部に多いのですが、地方から都市部に越してきた方の多くは菩提寺を持っていません。
そこで、葬儀社や霊園、専門の僧侶派遣会社に頼むことになることがあり、その場合いい加減な僧侶が少なからずま紛れているという指摘です。酷いケースでは、葬儀社が実質的に僧侶を社員として抱え込んでいる場合もあるようです。
ニセ坊主の見分け方として
(1)自分の寺を持っていない
(2)何宗の僧侶資格を持っているか言わない
(3)どんな宗派の葬儀でも執り行えると明言
(4)自分の連絡先を言わない
(5)戒名をつけるために事前に連絡を取らない
(6)読経、法話が下手くそ
(7)袈裟が着られない
などをポイントして列挙しています。
まさに、これは葬儀費用の不透明化、質の低下の最たる原因となるものです。
菩提寺を未だ持っていらっしゃらない方は時間のあるときに近くの寺院を実際に巡って、そのお寺の住職・僧侶と話をしてみると宜しいと存じます。
お寺めぐりは伽藍を眺めるだけでなく、その寺院の僧侶とお話しする楽しみもあるのです。周囲にはきっと様々なお寺があります。新たな発見も多いことでしょう。
そのような信頼関係を予め作っておくことがトラブルを防ぐ基本的なこととなります。
記事は、いくら多くの僧侶がちゃんと活動しても、こうした構造にメスを入れなければ仏教界全体の信頼は落ちていくだろうと指摘しています。

次の特集では「寺が変わる!」としての寺の取組みの具体例です。

◆取り組み 本来の機能・役割を取り戻せ 始まった原点回帰への模索
知多四国霊場会(愛知県)/喝破道場(香川県)/宝蔵寺(茨城県)/ビハーラ21(大阪府)/超光寺(埼玉県)
Column 生と死を歌で伝える女性僧侶/都会人の心癒やす「坊主バー」

ここに、知人の関わる取組みも紹介されています。
特に5日間で2万人の参拝者を集めた霊場サミットの例は、保守的な寺院からは反対の声もあったものの、時代に即し社会から支持を集める活動をどのように進め、成功に導いていったのかが特集されています。


特集は、この後、Part2「墓」 Part3「葬儀」と続きます。

■Part2  「墓」 継承者難で家墓が崩壊? 変貌を遂げる終の棲家
Diagram 墓の価格を押し上げる石材店儲けのカラクリ
Column 墓石のベンツと呼ばれる庵治が高い理由は希少性
弔い方 墓を作らない人が急増中 安さと自然回帰に人気集まる
永代供養/納骨堂/散骨/樹木葬/手元供養
Column CO2排出量基に森林保護に寄付 供養の場でも広がるエコロジー
改葬 意を尽くして住職に説明必要 費用は200万円前後覚悟を
ペット供養 同居墓から出張火葬まで 愛好家につけ込む業者に注意


■Part 3  「葬儀」 不透明な価格の裏に潜む闇 悪徳業者の手口と見分け方
Diagram 遺族を悩ます不明朗な葬儀費用のカラクリ
新潮流 生花祭壇や高級死装束も人気 簡素化・こだわりがキーワード
オフィスシオン/ニチリョク/日比谷花壇/ビューティ花壇/リコルド田園調布(メモリアルアートの大野屋)/一文
Column 専門学校で葬儀のプロ育成 数少ない有望市場に人材送る
戒名料 「高額」「不透明」と槍玉に挙がる寺院関連費用の相場を公開
遺産相続 肉親には揉め事を残さない! 相続で気をつけたい4ヵ条

時代の変化は墓、葬儀のあり方にも大きな影響を及ぼしています。
特集記事は「価格」面からのアプローチを行っていますが、一つの手法として客観的に物事を捉える上で知っておくことは必要だと思います。
不明朗な費用にはきちんと説明を求める姿勢も必要でしょう。
特に、P.61の「こんな葬儀社には要注意!」というチェックリストはここでは列挙いたしませんが必読です。

これまで供養に関するしきたりや習慣は小さな共同体の中で共有・継承されてきた。暗黙のなかで伝わっていく場合も多く、わからなければ知恵者に聞けば教えてくれた。
その中心にいたのが菩提寺や住職であり、檀家との寺檀関係を通じてしっかりと結び付けられていた。
ところが地方から都会に移り住む人が増え、そこに住みつくなど人口の流動化で地域コミュニティーが希薄化したり、少子高齢化で後継者がいなくなったりしたことで透明性を求める動きが強まっているのだ。
とりわけ不満が強いのが金銭面での大きな負担である。
普段はなにもしてくれない寺が事があると急に擦り寄ってきたり、悲嘆に暮れている遺族が知識不足と見るや、それにつけ込んで寺や業者が結託し、ぼろ儲けを図ろうとすることも珍しくない。
(P.32より引用、下線はkameno)

 

菩提寺をお持ちの方は、生前から寺院の僧侶と話をして疑問点があれば遠慮なくぶつける
菩提寺を持っていない方は、生前に出来るだけ多くの寺院を巡り、僧侶と話をしてみる
そして、信頼の置ける寺院、葬儀社、石材店を予め見つけておく。

ちょっとしたことが無駄な出費を抑えトラブルを防止するきっかけになるのです。


週刊ダイヤモンドの記事がきっかけで寺・墓・葬儀を取り巻く問題が改善の方向に進むことを期待しています。


追記
特集の一つ P.53「CO2排出量基に森林保護に寄付・供養の場でも広がるエコロジー」に、SOTO禅インターナショナルで進めている「塔婆供養で植林支援」の紹介が掲載されていました。


■関連リンク

貞昌院檀信徒向け情報

寺と墓-誰も知らない巨大ビジネス
寺院の果たすべき社会的責任
寺院の数はコンビニの数よりもずっと多い

Name kameno : 12:30 PM | comments(2) | trackbacks

ビュートついに生産終了

光岡「ビュート」年内で生産終了
光岡自動車(本社・富山市)は15日、16年間販売していた小型車「ビュート」の生産を年内で終えると発表した。同車のクラシックなデザインが保安基準の改正で適合しなくなるためという。年内に60台を生産し、うち20台はシートに刺繍(ししゅう)を入れるなどした特別仕様車として16日から予約を受け付ける。
ビュートは日産自動車の「マーチ」の外観を仕立て直した改造車で、「美しく遊ぶ人」から「美遊人(ビュート)」と名付けられた。16年間で約9300台を手作業で生産。単一の外観モデルとしては異例の長さだ。同社は「今後も景気に左右されない手作りの車を販売する」としている。
(朝日新聞2009年1月15日)



光岡自動車は富山県の自動車メーカーで、日本で第10番目に設立された国内認可で一番新しい自動車会社です。

今回生産終了となるビュートは以前乗っていたこともありますので、とても残念なニュースです。


ビュートの特設サイト(光岡自動車)

ビュートは、1993年に生産が開始され、発売された当時、雑誌の広告を見て、そのコンセプトに惚れ込み、また「小さな工場には、夢がある」という光岡自動車のキャッチフレーズにも大いに感銘を受け、直ぐに世田谷のショールームに見に行ったものです。

そして即決。

手作りのため、確か生産台数が月数十台ほどで、しかも発売されたばかりだったため、納車に半年以上も掛かりました。
念願のビュートが届いたのは1994年春。


今でこそ数はそれなりに増えてきましたが、当時は珍しい上にインパクトがあったためか、街で運転していると様々な人に「これは何という車?」と興味深そうによく尋ねられました。
この車を見て、ビュートを購入されたかたも何人か居たり。

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エンジンは日産のものですから、走りは全く問題ありません。
車検も日産の工場でできますので維持費も安い。

しいて言えば、初期型はバックライトが下向きに付いていたため、ちょっとした段差があるとバックライトの底部を擦ってしまうという欠点がありました。これは次のマイナーチェンジで上向きに改善されたようです。

こういう乗っていて楽しい車というのは珍しいと思います。

ビュートは3年間愛用し、現在のミニバンに変更するために中古車で売ってしまいました。
(当時はまだまだ珍しかったためか、売却査定額は購入時と殆ど変わらない価格でした!)


車は乗り換えてしまいましたが、街でビュートを見かけると思わず微笑んでしまいます。

16年間生産が続いたビュートもついに生産終了。
バンパーが保安基準に適合しなくなったことが理由のようですが、本当に残念です。

以下、光岡自動車のサイトより引用


大企業になることが目標じゃない
納得するまでとことんこだわり続ける

私達のクルマ作りは、

「今までに見た事も無いようなクルマ」
「みんながびっくりするクルマ」
「日々の生活が楽しくなるクルマ」
「ワクワクするクルマ」
「世界が広がるクルマ」

などと、常にいろいろな事を考えて企画しデザインを描きます。

紙の上に描かれたデザインを忠実に形にする事は、
限界への挑戦でもあります。
時には、常識では考えられない工法を取り入れる事さえあります。

出来上がった形は、デザインを優先するので大量生産には不向きな形になります。
FRP成形、スチールのたたき出し、溶接、ボディの接合など、全て手作業で行っています。
太陽が降り注ぐ暑い夏でも手で汗を拭い、雪が降り続ける厳しい冬でも、かじかんだ手を温めながら、一台一台クラフトマン(職人)の手によって仕上げられていきます。
しかし、そんな時でもクラフトマン(職人)の瞳は、少年のように輝いています。

また、私達は「質」へのこだわりも決して忘れません。
私達が求めている「質」とは、私達の自分勝手なクルマ作りへの思いに賛同していただき、ユーザーとなってくださった皆様が、購入後数年経った後に

「光岡自動車にしてよかった!」

と思っていただける「質」を目標として、これからも「質」を極め続けていきます。

ミツオカが一味違って見えるのは、こうした遊び心を大切にしている気持ちと、物作りへのこだわりからかもしれません。
こうして誕生するクルマは、技と感性が作り上げた、希少で味わい深い私達の自信作です。

誰もが不可能に思う事でも、それに立ち向かい、もっと楽しいクルマ、もっと夢のあるクルマを。




歴史的な不況の中にあっても、それをものともしない元気な企業のもつ原動力は、こうところにあるのでしょう。
学ぶべきことはたくさんあります。

Name kameno : 06:22 PM | comments(2) | trackbacks

実態からかけ離れてしまった経済

ついに近所のガソリンスタンドでレギュラーガソリンが100円を切りました。

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給油中の金額の上昇の仕方が半年前とまるで異なります。


今年の異常なほどの原油高は、経済全体に大きな影響を及ぼしました。
第一次産業従事者にあっては、コストの上昇があまりにも急激過ぎて経営が成り立たないという状況も多く見られました。

そこで急遽考えられたことの一つが、オイルサーチャージ制だったと思います。
農林水産物の生産コストの内の、原油の価格を価格に反映させるというものです。
一見、そのシステムは生産者の生活を保護するかのように思えました。

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しかし、夏過ぎからの原油価格崩落は、その甘い考えを打ち砕くものになってしまうのではないでしょうか。
オイルサーチャージ制を取り入れたとすると、価格を下げて販売しなければなりません。
市場はは国内のみではありませんから、ここ数ヶ月の円高により、海外から安い農作物が入ってくる上に、輸出環境は悪化する一方です。
また、国内消費も経済環境の悪化により需要も減少しています。

大丈夫なのでしょうか。


そういえば、春先には投資会社から、原油や農作物の先物取引に関するセールスの電話がかなり頻繁に掛かってきました。
相手は電話帳を片っ端から掛けているようです。

セールストークは決って「これまでにない価格の上昇が見られます。今投資しておかないと損ですよ」云々・・・・・
このようなときには、電話の相手に「では、半年後に価格がいくらになるか予測してみてください。もし、半年後にその価格が当たっていたら検討します」と対応していました。

それから半年、予測された価格は全く大外れです。(というより、半年前に下落を予想した人は皆無)
きっと、セールストークに踊らされて投資してしまった人も多いのでしょうね。
有名大学ですら、巨大な損失を蒙ってしまっていますから。



明中に当って暗あり、暗相をもって遇うことなかれ、
暗中に当って明あり、明相をもって覩ることなかれ、
明暗おのおの相対して、比するに前後の歩みのごとし
『参同契(さんどうかい)』


今日の托鉢では参同契もたくさん読経してきます。
そして夕方は鎌倉でのキャンドルナイト

何も背伸びする必要はありません。
自分のペースで進んでいけばいいのです。

Name kameno : 09:53 AM | comments(0) | trackbacks

サンタクロース+禅=?

「Buy Nothing Day」という日をご存知でしょうか。

これは、1992年カナダから始まったカルチャー・ジャミングのエコ・ムーブメントです。
毎年11月終わりに開催されるイベントで、今年で15年回目を迎え、62か国150万人以上が関わりました。
日本では「無買日」として広まっています。


「Buy Nothing Day」・・・「無買日」とは、1年に1日だけ、必要なのもの以外は買わずに過ごそうとする日です。
考えてみれば当たりまえのことですが、たくさんの商品が陳列されたスーパーに行ったり、ネットサーフィンをしたり、コマーシャルに接したり、私たちの周りには購買意欲を掻き立てるものに囲まれています。
ついつい、後で振り返ると必要のないものを買ってしまったという経験も少なくないはずです。

そこで、自戒を込めて、「無買」を誓い、消費行動を見直そうとするのが「無買日」の目指すところです。
今年、日本、デンマーク、フランス、イタリア、スェーデン、ドイツ、イスラエル、イギリスなどでは11月29日に行われました。
アメリカは一日早く、11月28日金曜日から行われました。アメリカでは、Thanks Giving Day の後の金曜日をBlack Fridayといい、大々的なバーゲンセールが行われ大量消費がなされる日でもあります。
だからこそ、やみくもに買い物をするのではなく、消費行動を見直すという行動が広がったのです。

 
 
 

さて、日本での「無買日」に、近年サンタクロースのパフォーマンスが見られるようになりました。
「禅タクロース」と呼ばれるものです。

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(写真はBNDより)


なぜ、「禅」+「サンタクロース」なのでしょうか。
公式ページからその理由を抜粋してみます。

禅タクロース伝説 インスピレーション

それはゴミ置き場にサンタの衣装が捨てられていたのを見つけた時です。私の住む京都は日本でも間違いなく有数のゴミの量が多い都市です(人口1人当たり換算)。私、ガブリエレ・ハードは、1999年の「無買デー」に、どんなイベントを打とうか考えあぐねていました。そして、そのゴミ置き場を見た瞬間、全てが一つになったのです。

以前、禅をしている知人が「あなたが居る処から大改革が始まるんだ」、「買い物をする人たちの心の平穏を祈って瞑想しよう」と言っていたのを思い出しました。そこには捨てられたサンタの衣装があり、何かやりたいと人々が集まり、そして、ほら、禅タクロースができあがりました。阪急デパートのショウウィンドウでサンタの人形がダンスをしているその前で、禅タクロースはデビューしたのです。
禅タクロース伝説、BND Japanのサイトより


単なる一人の禅タクロースとしての行動が雑誌やメディアに取り上げられ、世界中に発信されることにより、禅タクロースは世界中にひろがりました。
禅とサンタクロースのコラボレーションという発想が面白いですね。
「禅タクロース」は、街頭での坐禅を行うことにより、「買い物という欲望」に疑問を投げかけ、禅定を通して現代社会のの消費について問題を提起しています。
サンタクロースには「子どもたちに夢を与える、西欧の伝統」という誤った先入観が植えつけられています。西洋的な消費主義の象徴であるサンタクロースが東洋の「禅」と結びついてこのような形になりました。


きっと道行く人々は思わず足を止め、何事かと思うことでしょう。
なぜサンタクロースが坐禅をしているのだろう!
その奥には、ここでご紹介したようなメッセージが隠されているのです。


ただし・・・・・
「カルチャー・ジャミング」は、「文化破壊」と直訳されますが、それを額面どおりに受け取ってしまい、単なる破壊行動となってしまっては本末転倒です。
せっかく「禅」と結びつけるのであれば、本来の「禅」についての学びを深め、「禅」の教えから消費行動を振り返ってみるということも大切です。
「ジャミング」が、単なる「破壊」ではなく、新しく「創造」を生み出す「既成概念の破壊」でなければならないと思います。



関連リンク
カルチャー・ジャミング(ウィキペディア Wikipedia)

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Name kameno : 11:30 PM | comments(0) | trackbacks

経済学の視点から見たお寺

神奈川県仏教会釈尊成道会記念講演会

『経済学の視点から見たお寺の現代的課題』が、横浜市・西有寺専門僧堂を会場に開催されました。
講師は慶応大学中島隆信先生。

講師先生の著書『お寺の経済学』(文末で紹介)を読んだこともありますので、直接講演を聴くことが出来ることを楽しみにしていました。

講演内容は主に『お寺の経済学』を掘り下げたものとなりました。
記録として書き記しておきます。
(kameno個人メモであることを予めご了承ください)


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■経済学の基本

世の中には必要ないものは存在しない。
ゆえに、お寺は少なくとも現在は世の中のニーズがあると考えられる。

経済学的視点からの一般的法則は、買う側と売る側のサービスのやり取りであり、両面が必要である。片方だけでは成立しない。
これを寺院に当てはめると、人々にいかに仏教の教えを伝え(サービスの提供)それをいかに人々が受けとめるか(サービスの受容)ということになる。

■信仰市場という解釈
<経済学のものの見方=需要と供給はどちらが重要だろうか>

消費者を大切にする。
商品が売れなかった場合に、なぜ売れなかったか原因を考える。
その際に、物を売る側に問題があるのか、買う側に問題があるのかのどちらかであるとすると、ほとんどの場合、売る側に問題があると考えるべきである。
たとえば大学の授業でテストの成績・結果が悪い場合、学生が悪いのではなく、教える側の教え方が悪い、良い授業が出来なかったと考える。
仏教に当てはめると、仏教の教えが一般に浸透していないとすれば、それは寺院・僧侶側に問題があると考えるべきである。

私自分もお寺の経済学の本を書くまでは、自分の所属する浄土真宗の教えについてほとんど知らなかった。
日常生活において、お寺との接点は法事や葬儀の際の関わりしかなかった。
法事法要の際の法話の際に、話を聞かない参列者が増えている原因が、参列者にあると考えているうちは進歩がない。どうしたら話を聞いてくれるのかを考えることにより進歩があるのである。
社会問題となっている食品偽装(=消費者を騙す悪徳な業者)については、買う側も何処産か、ということはわからない。消費者にも責任の一端があるが、賢い消費者を育ててこないことにも問題がある。
どの市場においても賢い消費者を育てる努力が必要である。


■長期計画の重要性

現代に宗教は必要ないのだろうかという問題を考えてみる。
科学や医療のの発達していない時代においては、宗教がその役割を担っていた。
では、例えば医療が発達し、薬が病気を治療する時代になったとすれば宗教は不要になるのだろうか。
現代に宗教が排除されている状況、宗教に関心がない状況は、前段の考えに基づき、現代社会に宗教が不要であるということではなく、それを伝える側に問題があると考える。
経済学的に考えると、「顧客」を大切にしてこなかった、努力を怠ってきた結果であるといえる。
長期計画を持って「顧客」を育てていく必要がある

顧客(=檀信徒)が、後々に、寺院や仏教会を護持していくことも結びついていく。


檀信徒   宗教=信仰   寺院   
       <市場>
              

■観光寺、信者寺、檀家寺の違いとは?

お寺市場には大別して次の三種類がある。
     
・観光寺
 例えば鎌倉大仏。
 外からは見えない仕組みになっている。参拝者が信仰心をどれだけ持っているか。金閣寺を拝観する人は、そこが何宗か、住職は誰かについてはほとんど感心がない。行って写真を撮れば満足する。 宗教施設としての寺院というよりは、立ち食い蕎麦屋の感覚で、立ち寄って一回行けば満足するような寺である。

・信者寺
 浅草寺、善光寺、川崎大師など。初詣などでにぎわう寺院。行って手を合わせる点で、少なくとも観光寺よりは信仰心がある。祈願を行う=信仰。
 ただし、信仰心がどれだけあるかは多少疑問が残る。

・檀家寺
 例えば価格表を出していないすし屋のようなもの。一見さんお断り。客のことを良くわかっている店。かといってぼったくりをするわけではない。そこには「信頼関係」が存在する。
 医者と患者の信頼関係、教師と生徒の信頼関係。そのような信頼関係がなければファストフード店的な付き合いとなる⇒一回限りの取引。
 例えば、駅前のトラックで売っている果物を大切な人への贈り物として購入するか?
 檀家寺では、一回限りのサービスではなく、長い間付き合っていくという信頼関係が必要となる。老舗の信頼関係。逆に言えば、信頼関係が失われた場合には檀家寺である意味がない。

■沖縄の寺院
檀家制度を排除した鹿児島藩が実効支配していたため、寺院の数が極端に少ない。
宗教法人格を未だ取れていなく、他の建物を流用する寺院が多い。祈祷、悩み相談。
なぜ沖縄に寺院が浸透しないのか
沖縄は信仰が100年遅れているといわれるが、実は100年進んでいるのではないか。

信頼関係=信仰=墓地
信頼関係の元である墓地の基盤が崩れると、信頼関係も崩壊する。


■信仰サービスの非営利性

信頼関係とお金のやり取り
どのようにお金を受け取るべきか。
先生、医者・・・お金を受け取る側が人助けをし、お金を出す側が御礼をする。
御礼が先にあり、その後にお金を受け取る。

道ばたに人が倒れている状況を見て、通行人たちは受け取る料金を念頭に人助けをするだろうか。答えはNOだろう。とすれば、人助けをする際に料金を提示してはならない。
学校、病院は補助金があるがゆえに、料金提示が出来ても制限がある。
対し、寺院は唯一何の制約もなくできる業種である。
非営利であるということは、料金的提示がなされていないということが担保されていることが必要である。

経験上の例を挙げれば、ある山にハイキングに行ったときのこと。神社敷地の上山口に賽銭箱が設置されていた。賽銭箱には、道中の無事を祈るために「100円」記載されている。そのような場合は営利事業とみなすべきである。
非営利とみなされるようにするのであれば、下山口に設置し、料金提示をするべきではない。


■タイの寺院はなぜ存在しうるのか

布施を行うことにより<徳>が積みあがっていく。
何らかの価値を産み、その対価を得る。=徳を売る。

■これから先の寺院はどのようにして生き残っていくべきか。

現代人にとって心の悩み苦しみは切っても切り離せないものである。
今後は、いかに苦しみと共存していくかが重要な課題であろう。
私自身、重い病気の家族と暮らす経験から、仏教の発想、教えに触れることができた。
なぜ彼が生まれてきたか、これから苦労して育てていかなければならないこと、回りからの視線など、そのような苦しみと如何に共存するべきなのか。

重い病気の家族が仏様であると考えることができるようになって、負担が軽減されるばかりではなく、ありがたい感情まで生じた。
何の薬も使わず、手術を施すこともなく、発想の転換のみで救われることが出来るのである。

これが檀家寺が長い間かけて育んできた、信頼関係の礎となるものである。
寺院は徐々に淘汰されていくかもれないが、賢い消費者を育てることのできる寺院は生き残っていくだろう。



講演の内容は『お寺の経済学』がベースになっています。
改めて先生の著書をご紹介いたします。

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『お寺の経済学』で坊主丸儲けは許しません
経済学者がつきつけたお寺業界の規制緩和策


お寺の経済学


中島 隆信 著  

■発行日 : 2005年03月10日 
■ISBN : 4-492-31345-1   C33
■サイズ : 四六判   並製 
■ページ : 244頁 
■価格(税込) : 1,575円 


Name kameno : 11:01 PM | comments(6) | trackbacks

寺院会計の疑念を払拭するために

去年の春に城山三郎さんが亡くなったとき、五木寛之さんが本紙に寄せた追悼文に、こんなくだりがあった。〈(先に亡くなった)奥さんの葬式にきてくれた浄土真宗の僧侶が、リーズナブルな金額を申しでたうえに、ちゃんと領収書をくれたことを感心して話されていた〉▼そのときの城山さんの表情が五木さんは印象深かったそうだ。ささやかな一コマだが、筋の通らぬことを嫌った故人らしい話だと思って読んだ▼葬儀などの際、包んだお布施に釈然としなかった人は1人や2人ではあるまい。数十万円、ときにはそれ以上が領収書もなく渡される。いまどき政治の世界でもない話だ。「相場」と言われる額の当否も外部には分かりづらい▼不透明さが仏教界への不信を招いているのではないか。憂える青年僧ら約20人が、東京で「寺ネット・サンガ」なる団体を旗揚げした。お布施について、施主に十分説明し、使途も明示するなどして、信頼を得る道を探るそうだ▼代表の中下大樹さん(33)によれば、近年、葬祭業者から仕事を回してもらった僧が、謝礼にお布施の何割かを渡す「キックバック」も見られる。そして戒名は金次第。すべての寺ではないにせよ、あれやこれやの算盤(そろばん)が「葬式仏教」などと批判されて久しい▼「宗教は死者を弔うばかりではなく、生者の心を救うもの」。そう語る中下さんは、これまでにホスピスで多くの人を看取(みと)ってもきた。青年僧たちは、受け取ったお布施を様々な社会貢献にも充てるという。旧弊をゆさぶって吹く、新しい風になれ。

(「天声人語」2008年10月20日・朝日新聞)
下線はkameno付記




問題を提起していただいたことはありがたいのですが、『天声人語』で書くのであれば、個人的な思い入れではなく、十分な検証を行ったうえで書いていただきたいところです。
葬儀に際し、僧侶側からリーズナブルな金額を申し出たとの点ですが、布施というものは僧侶側から申し出されるべきものでしょうか。
領収書を発行したことについて感心されたとのことですが、領収書を発行することは、法人として当然のことです。
もしも領収書を発行しないことが社会通念として常識となっているとすれば、それは逆に問題だと感じます。

寺院の会計はどんぶり勘定であったり、公私が混同されたりしてはなりません。
定期的に税務調査等が入り、会計処理に関する指導が適宜なされる現在では、不正処理を行うことは困難であるといえます。
ただし、収支決算書、貸借対照表、キャッシュフローをきちんと処理し、外部監査機関によるチェックを受けて、利害関係人に公表まで行う寺院はまだ多くないと思います。
このあたりは、他の公益法人と同様に基準を定めて会計処理を行うことは必要でありましょう。
 

本日、冒頭の「天声人語」に対する「読者の声」が掲載されていました。


高額のお布施 思いもよらぬ
住職 ****(三重県***町 73)

10月20日の「天声人語」で葬儀の布施についてふれてありました。数十万円などという額の布施に驚きました。
きっと都会の富裕層なのでしょう。当方では、そんな高額な布施やお礼を手にしたことはありません。過疎地では求めもしませんし、出して頂く余裕もないと思いますから。
戒名に金でランクをつけるなど、あってはならないことです。寺の経営上、仏教本来の精神を離れて、お金に振り回されている実情もあるようです。
内部から改革の声は上がりにくいので、今回のように、外部から素直な意見を聞かせて頂けば刺激になるでしょう。
辺地の寺を守っていくのは容易でありません。
兼職で支えていますが、それも困難になっています。住職は高齢化で亡くなり、無住・兼務が増えて葬式を出す人手も足りない集落もあります。人々の心のよりどころとして安らぎの求めにこたえる。それが僧侶の仕事と考え、檀家と苦労を共にし、出来るだけのことをしたいと思っています。
(「声」 2008年11月3日・朝日新聞)


全国に分布する寺院は、ごく一部の大規模寺院と、大部分の中小寺院により構成されています。
「声」に投稿されたようなご寺院様が大部分です。
このあたりは、以前ブログでも書きましたが、いわゆる赤字の寺院が過半数を占めています。
たとえ、過疎地の小さな寺院であっても、会計処理を行うことにより、運営上の問題点が明確化となります。
赤字の寺院であれば、ただ漠然と運営が苦しいと訴えるのではなく、どの程度の赤字であるのかを具体的にきちんと把握できます。
檀家さんと苦労を共にする一つの拠り所ともなるでしょう。

貞昌院では次のように檀家の皆さまに提示しています。
貞昌院の護持会費・墓地管理費など


これから、寺院を取り巻く環境はますます厳しくなることは間違いありません。
読者の声に投稿されたご意見のように、外部からの声を真摯に受け止めていくことは大切なことであると考えています。

最後に、「天声人語」で紹介されていた「寺ネット・サンガ」に関する記事をご紹介します。



「寺ネット・サンガ」発足 葬儀・法要など

現代の仏教界や社会の抱える諸問題に危機感を抱き、包括的に対処していくことを目指す超宗派の僧侶・寺院のネットワーク「寺ネット・サンガ」の発足会が十七日、東京の浄土真宗本願寺派築地別院第二伝道会館で開催された。同会に賛同する仏教者、葬儀業者、NPO関係者らが一堂に会し、今後の展望などについて語り合った。
任意団体「寺ネット・サンガ」は、菩提寺がない人の葬儀・法要・納骨、セミナーや法話会などの情報発信、看取りの段階からかかわるターミナルケアなどを事業内容としている。特徴的なのは、会の活動を通じて得たお布施から葬儀社などへのキックバックは一切行なわないこと。組織内にはファンド(基金)を設立、正会員はお布施の半額を納め、公益性の高い団体など社会に還元していく方針を打ち出している。

事務所は東京都新宿区に置かれ「駆け込み寺」としての役割を担い、定期的に「サンガの会」を開き、業種の枠を超えて"いのち"のあり方について議論する。会員の優良な葬儀社・石材店・関連企業を同会のホームページで紹介するなど業者との連携も図っていく計画だ。

同会の代表は、ビハーラ僧としての経験も豊富な真宗大谷派僧侶の中下大樹氏が務め、全国青少年教化協議会主幹の神仁氏、浄土真宗本願寺派延立寺住職の松本智量氏をはじめ約十人の僧侶らが世話人となる。

発足会では、神氏の導師による法要の後、事業計画の説明などがあり、中下代表は「われわれは次の世代に何を訴えられるか、自分たちは何を受け継いできたのかが問われている。言葉だけではなく実践を通じて伝えていきたい。次世代に誇れる仕事をし、道なき荒野に道をつくっていきたい」と抱負を語った。

(中外日報情 2008年9月20日より)


葬儀社などへのキックバックについては、ホント問題です。
寺院の問題というよりは、都市部に多い寺院を持たない僧侶が増えていることと非常に関連します。
この問題については、日を改めて考えていきたいと思います。


Name kameno : 01:10 PM | comments(0) | trackbacks

功の多少を計り 彼の来処を量る

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コーヒーを専門ショップで注文すると、大体1杯 330円くらい。 

その売上げは

(1)コーヒー農家
(2)輸出業者、地元の貿易会社
(3)カフェ、小売業者、輸入業者

にそれぞれどれくらい配分されているのでしょうか。


私たちがコーヒーを飲むときには、あまり頭に浮かばない問題ですね。
しかし、改めて考えてみると、消費者には生産者の姿がほとんどといって良いほど見えないことに気づかされます。

逆に、生産国のコーヒー農園で働く人にとって、目の前のコーヒーがどのように飲まれているかということを想像することも困難なことなのでしょう。

後に紹介する映画『おいしいコーヒーの真実』の中では、コーヒーを消費する先進国と、コーヒーの原産国の生活の光景とが同時進行で淡々と映しだされていきます。
同じコーヒーで結ばれた始点と終点の光景が、なぜ別世界となってしまっているのでしょうか。

その答えは

「私たちは経済的な援助ではなく公正な貿易取引を求めている」

というコーヒー生産国代表の言葉に集約されています。


例えば、コーヒー豆がエチオピアから輸入国の焙煎業者に渡るまでには、6業種ほどの中間業者が取引の段階に関わります。
各段階で、業者は利益を上るために、仕入れ単価を可能な限り下げようとします。
結果、産地農園の労働者たちは、日給0.5ドルという不当に安い価格で、しかもその状況に不信感すら抱くことも無く働かざるを得ない状況に追い込まれています。
エチオピアでは、緊急支援を必要とする人々が年間700万人も生み出されているともいわれます。

全世界で毎日20億杯も飲まれているコーヒーですが、飲まれれば飲まれるほど貧困を生み出すという構図です。

それを解決する手段の一つが公正な貿易取引、フェアトレードです。

きちんと生産者に正当な代価が届くシステムを作り上げることにより、問題は少しづつ解決の方向に進むはずです。

映画『おいしいコーヒーの真実』では、スターバックスが名指しで批判の対象にあげられていますが、スターバックスでもフェアトレード製品の選択肢があります。
カフェ エスティマ ブレンド

敢えてこのようなコーヒーを選ぶのも必要な行動なのでしょう。


『おいしいコーヒーの真実』の予告編はこちら。
冒頭の答えもでてきます。




この事例はコーヒーばかりではありません。
先日の記事、原油高騰でもサンマは安値 でも同じように考えてみることができます。

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流通の仕組みは国内でも同様です。
いくつもの市場などの段階を経て消費者に届く複雑な構造です。
サンマのような生鮮品の場合は特に流通業者は鮮度のリスクを考え、買入れ価格を安く抑える傾向にあります。
一尾50円のうち、漁業生産者に届くのはどれくらいなのでしょうか。

従来の流通の段階は

(1)水揚げ産地
(2)産地市場(卸売業者⇒買受人)
(3)消費者市場(卸売業者⇒仲卸業者)
(4)小売店
(5)消費者


でしたが、高度経済成長期以降、道路網の整備や冷凍技術の進歩、冷蔵庫施設の整備、そして都市部における大規模小売店の展開などにより変革が起きました。
消費地市場を経由しない「市場外流通」の仕組みです。


(1)水揚げ産地
(2)産地市場
(3)大規模小売店
(4)消費者

市場外流通は、段階が削除されるため「安い」という先入観がありますが、しかし現状では価格が適正に生産者に届く仕組にはなっていないようです。
大規模小売店が出漁の前に予め価格を決定してしまい、そこには生産者の意思が反映する余地が無いからです。

実際に、漁業者が受け取る金額は、小売価格の24%程度にとどまっています。

私たちにできることは、さまざまな商品の値段を目にしたときに、その価格の内訳がどのようになっているかを考え、調べるという習慣をつけること、そして、生産者が見える商品や、フェアトレード製品を意識的に購入するという行動です。

その一つひとつの積み重ねが歪んだ流通構造に改革をもたらすかもしれません。


■Info.

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貞昌院本堂において、
クラフト・エイド(SVA)verda(ネパリ・バザーロ)などのフェアトレード製品を展示・頒布しています。是非お手にとってご覧ください。



■関連リンク
『おいしいコーヒーの真実』公式サイト


■おすすめの本

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フェアトレードの時代 
みんなの「買う」が世界を変える 
顔と暮らしの見えるこれからの国際貿易を目指して



著者/長尾弥生/著
出版社名 日本生活協同組合連合会出版部 (ISBN:978-4-87332-267-4)
発行年月 2008年04月
価格 1,365円(税込)




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コーヒー危機 作られる貧困

著者/訳者名 オックスファム・インターナショナル/著 日本フェアトレード委員会/訳 村田武/監訳
出版社名 筑波書房 (ISBN:4-8119-0238-6)
発行年月 2003年10月
価格 1,050円(税込)


Name kameno : 11:43 AM | comments(6) | trackbacks

原油高騰でもサンマは安値

以前、供物としてあげられる盛籠からマクロ経済の変化を考えた ことがありましたが、経済の変化を一番敏感に感じることができるのはスーパーの店内ではないでしょうか。


近年、特に今年に入ってからの原油の高騰は異常なほどでした。レギュラーガソリンの小売価格はリッターあたり200円間近にまで跳ね上がり、さまざまな影響をもたらしています。

第一次産業に与える影響も大きく、例えば水産業では、漁船に使う重油の価格高騰により、出漁できなかったり、その窮状を訴えるために組織的に出漁を取りやめたりといったことがニュースで流されました。


漁船の燃料を少しでも節約するため、集魚灯を点ける時間を制限したり、エンジンの回転数を下げ漁船の速度を落としエコ運転したりという努力も焼け石に水のようです。

政府は、燃料上昇分をいくらか補填する政策を打ち出しました。
しかし、そもそも大手小売スーパーにより価格が支配され、また、水揚げ直後にセリで価格付けされてしまうという、コスト上昇分を漁業従事者に反映できない流通のしくみを抜本的に改善しなければ、日本の水産業は壊滅的となってしまうでしょう。
 


昨日、地元のスーパーでのサンマの価格です。

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消費者にとっては、新鮮な魚が安く購入できることは嬉しいのですが、漁業従事者の現状を考えると手放しに喜んでばかりはいられません。
この倍の価格でも十分安いでしょうし、その分を漁業従事者に還元できる仕組みができたらとつくづく思います。

かつては世界に誇る水産国であった日本でしたが、いまや魚介類の自給率は約60%。
日本は世界一の輸入国となってしまっています。

また、いつまでも輸入に頼るわけにも行かないでしょう。
農産物の例にもれず、水産物でも食の安全性に対する不安はありますし、それ以前に今後は「買い負け」により、輸入すらできないケースも増えていくことでしょう。


水産業側は、漁船の低燃費化、漁業主体の大規模化が進み、消費者側は魚介類の消費量の低下、魚から肉主体の消費構造へと変化しています。
また、一時的には水産業全体の規模の縮小により、魚価が安定しているように見えています。

しかし、長期的にみると、この構図は持続しないはずです。

一消費者にできることは、まずは今安値のサンマをたくさんおいしく頂くことでしょうか。


■余談
ダイエット効果を期待してバナナは品薄。スーパーの棚にはまだ青いバナナも並ぶようになりました。
一本あたりの価格は、サンマ一尾の価格よりも高くなっています。

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北海道産の餡子(左2つ)と中国産の餡子(右2つ)との価格差。
食の安全性と安値、どちらを選びますか?

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Name kameno : 09:29 AM | comments(2) | trackbacks

元気をもたらす地域通貨(2)

日本の債務残高がリアルタイムに判る借金カウンター。
見ているだけで恐ろしくなります。

昨日(8月7日)、政府は月例経済報告における景気の基調判断を「弱含んでいる」へ下方修正しました。

景気は後退局面入りとなり、頼りになりそうな貿易黒字も、最近の急激な原油高により、さらに悪化することは間違いありません。
日本が保有する総資産である正味資産(日本の土地、建物、金融資産、在庫、地下資源などの合計)に対して、日本の借金は、その1/2に達するかどうかという所まで来ています。

抜本的な改革を早急に施さないと手遅れになります。

・・・暗い話題ばかりですが、話題を切り替えて、借金が「マイナス」の概念ととならない通貨のしくみをご紹介します。

それは「地域通貨」です。


地域通貨とは、一言で言えば「ある地域やコミュニティのみで流通する通貨」であります。
「円」は、日本国内(あるいは世界中)、「どこでも」「何とでも」交換可能ですが、そのような汎用性はありません。
けれども、それゆえに次のような特徴を持ちます。


■地域通貨の特長
(1)地域やコミュニティーにより発行することができる。
(2)ある地域やコミュニティのみでしか使えない。
(3)利子はつかない。
(4)貧富の格差が生じ難い
(5)地域の中で循環する仕組みのため、地域が活性化する。

現在は 300 を超える地域通貨が全国にあるといわれています。

一つの具体的な事例として、西千葉の地域通貨 「ピーナッツ」を見てみましょう。

まずは、「ピーナッツクラブ」に入会します。
入会資格は、事業者であれば千葉県限定です。個人であればその括りはありません。
入会すると、通帳(大福帳)の発行を受けます。


通帳保有者の得意分野、提供できるサービスが登録され、カタログに掲載されます。
最初の通長記載残高は「0」。


サービスやモノの交換は、お互いの話し合いにより決定します。
AさんからBさんに○○を提供したから、BさんからAさんに○○ピー(通貨単位)を受渡すというような感じです。

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当初は、左のような手書きの「大福帳」に記載しておりましたが、現在では右のようなオンラインでの決裁が主流となっています。

サービス等を提供する側の人は「受取(+)」、受ける側は「支払(-)」。
お互いの大福帳を交換して「相手のお名前」欄にサイン、持ち主に戻したら・・・・・


最後に「アミーゴ!」と言いながら握手をして取引成立。


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ここまで書いて、改めて地域通貨の仕組みは「お寺」に適切な通貨ではないかと感じます。
現在、お寺は「円」を中心として経済が成立っていますが、地域通貨では、お金をを払うようなことでないことに対してでも気軽に他人に頼めるし、例えば厚意でしていただいたことに対し、お金でお礼をすると失礼になるようなことでも、気兼ねなくお礼ができるということも特長です。

全国に曹洞宗の寺院は1万4千、宗派を超えると数万もの寺院があります。
寺院、檀家さん、地域住民の方々に通用する「地域通貨」を寺院で発行すれば、どれだけ影響力をもつか計り知れません。

寺院相互の遣り取りもそうですね。
お寺同士で随喜いただいたり、お手伝いいただいた際にも、地域通貨での遣り取りする仕組みをつくることは可能でしょう。

例えば↓このような感じ。
































































相手 内容 + - 残高 サイン
8/1 A寺 随喜謝誼 +500 - +2500
8/2 Bさん 境内清掃 + -300 +2200
8/2 Cさん 境内清掃 + -300 +1900
8/3 Dさん 原稿料 +300 - +2200
8/4 Eさん 犬の散歩 + -100 +2100
8/5


地域通貨のシステムでは、通帳に記載されている「黒字」や「赤字」は、特定の人に対する債務とはなりません。
地域通貨の流通するコミュニティー全体へのコミットメントでもあります。

ですから、地域通貨の「赤字が多い」ということは、それだけ、その人が地域の人から信頼を受けているということを示し、マイナスイメージということではありません。
そして、赤字が溜まったと思ったら、「自分にできること」で地域に還元すればいいのです。


私たちは、法定通貨が当たり前のように身の回りにあるため、その概念が当たり前であると思ってきました。
しかし、私たちは普段消費行動で使うお金と、世界中を駆け巡っている国際資本はあまりにもかけ離れすぎてしまっています。


「パン屋でパンを買うお金と、株式取引所で扱われる資本としてのお金とでは、まったくお金の種類が異なる・・・・」(ミヒャエル・エンデ)

金融の自由化、市場経済のグローバリゼーションは、日本経済にバブル破綻と長引く不況を引き起こしました。
日本の借金は増え続け、失業率の増加、リストラ、地域の経済も危機に晒されています。

日本経済を崩壊から守る最後の手段、それは「地域通貨」なのかもしれません。


■関連トピックス

元気をもたらす地域通貨

Name kameno : 07:28 AM | comments(0) | trackbacks

共存する類似品

事務用品として重宝する輪ゴム。
文房具店で購入する際に気づくことは、どのパッケージもよく似ていること。
手元にある別メーカーのものを並べてみました。

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そっくりですね。


こういうのを類似品というのかどうかわかりませんが、どの市場においても、あるメーカーがヒット商品を開発すると、他の業者がわ~っと似たような製品を開発し、発売します。
はちみつレモンなんか酷かったですね。サントリーが発売し好調な販売を見せるや、似たようなパッケージが次々と発売され、自動販売機のほとんどのスペースがはちみつレモンになってしまっていた時期がありました。
そのうちに、オリジナル品と後続の類似品の競争が激化し、次第に飽きられて、いまでははちみつレモンを探すことすら難しい状況です。 詳しくはこちら
おみやげ物の萩の月とか、テレビ番組などもそのような傾向は顕著です。
Googleで「類似品」を検索すると、そのような事例はいくらでも見つけられます。

さて、話を戻します。
輪ゴムのパッケージはこのように意匠がそっくりですね。
日本での輪ゴムは、協和というメーカーが「オーバンド」という製品で大きなシェアを占めています。

AO001.jpg
(c) Kyowa


冒頭にご紹介した写真は、いわば亜流の製品です。
けれども、主流のオーバンドを含めてパッケージがそっくり。

これはこれで、類似品の共存関係がうまく成り立っている珍しい例ではないかと思われます。
輪ゴムは、消費量が増減する製品ではありません。
また、店頭に並べられたとしても、2社以上の製品が並べられることはないでしょう。
メーカーにとっては、消費者が「輪ゴム」であるということを認識しやすく見つけやすい方がプラスになるわけです。
輪ゴムのパッケージ=茶色と黄色というイメージが無意識に刷り込まれてしまっているわけですから。
(文末に追記あり)


似たような類似品の共存事例として、「赤福」があります。
伊勢へ行くと御福餅、名福餅、名福餅、 伊賀福、 栗福餅、伊予福、伊勢遷宮福餅・・・・
似たようなお菓子がずらりと並んでいます。
これも、地元に強大な影響力を持ち、幅広く支持されている(偽装問題でイメージダウンしましたけれど)「赤福」ならではの一強+恩恵にあずかるその他という関係なのでしょうか。

輪ゴムのパッケージから少し考えてみました。


追記

輪ゴムのパッケージが共存する・・・・と記事中で書きましたが、あまりに酷い事例は訴訟問題になっているようですね。

◆No.358(2000年7月11日判決)
大阪地裁は、「オーバンド」の商標で知られる輪ゴムの最大手メーカーの(株)共和の商標権を侵害するとして、「スーパーバンド」の文字を含むパッケージデザインの商品を販売したシモジマ商事に対して、損害賠償金2,800万円の支払いを命じた。(H10(ネ)5161)
http://www.ntspat.co.jp/pnr/so_2000_07.htm

ということは、今回ご紹介した事例はグレーに近いシロという感じなのでしょうか。
それともシロに近いグレーなのか?

Name kameno : 05:51 PM | comments(0) | trackbacks

元気をもたらす地域通貨

アウキ・ティトゥアニャ知事により、エクアドルを元気付けている地域通貨の事例が紹介されました。

エクアドルでは、2000年に国家通貨であった「スクレ(ECS)」を廃止して、米ドル化を行いました。
しかし、物を売りたい人、欲しい人がいても、遥か遠くの国で発行されたドルが無いというだけの理由で、売買が成立しないという混乱が生じ、その頃草の根で始まっていた地域通貨「シントラル(SINTRAL)」はドル化後の経済混乱※の中で着実に広まっていきました。
※2008/5/1現在、1.00 米ドル (USD) = 25000 エクアドル スクレ (ECS) ひぇ~!


エクアドルにおける地域通貨の仕組みは非常にシンプルです。
・そこに住む地域の人が、地域通貨の仕組みを共有する
・地域住民が通貨を発行、供給する
・住民同士が直接売買を行い、その際小切手にサインする
・小切手は地域通貨の窓口で遣り取りが登録、全体情報を提供
というものです。
 


所詮、米国の発行するドルは「紙」だけにすぎません。

例えば、このお寺の本堂に集まっている人たちのグループが幾つかあるとして、それぞれにコメ、金、太陽・・・などの名前を付けます。
シンプルなチケットを作り、一つを一ドル相当と決め、あるグループがあるグループから魚を買い、また或いは他のグループがコメを買い・・・

ここで重要なことは、購入・売買は直接的であり、しかも税金がかからないという点にあります。
もちろん、金利もつきません。

コタカチ郡では、毎月、地域通貨により大体6万ドル相当規模の経済活動が地域通貨により行われています。
一年間では 6万ドル×12ヶ月=72万ドル規模。


政府は税金が取れない地域通貨の仕組みを弾圧しないのか?という質問には、「禁止もしないし支援もしない」とのこと。
さらに、コタカチ郡では逆に地域通貨を支援、例えば物品がトラックでスムーズに運べるように便宜を図ってすらいます。


先進国では、いわば「足し算」の経済の考えが常識です。
つまり、月10万円で生活してきたものが15万円になれば豊かになり、それが「進歩」だと考えてきました。
しかし、地域通貨の考えは「引き算」の経済です。
地域通貨を用いることにより15万円の生活であったものを10万円に減らすことが出来ることが「進歩」だと考えるのです。

20080428-02.jpg


最後に、とっておきの新しい情報が披露されました。
それは、現在、エクアドルでは、地域通貨の単位として「シントラル(SINTRAL)」ではなく「エコシミア(ECOSIMIA)」を用いているということです。


経済を意味するエコノミア(ECONOMIA)には、否定を意味する"No"が含まれています。
そこで、この"No"を、肯定の"Sí"に入替えて、エコシミア(ECOSIMIA)としたのです。
粋な言葉遊びですね。

しかし、南米の凄いところは影響しあうということです。
この地域通貨の考え「エコシミア(ECOSIMIA)」にはベネズエラの大統領も共感し、この地域通貨のアイデアを是非取り入れたいと表明しているとのことです。
人と人がお互い繋がりながらお互い活かし合い生活を営んでいくという、エコシミア(ECOSIMIA)の考えこそが、本来の経済のありかたなのかもしれません。



「僕たちは、ファストな社会に生きています。いわゆる、“早い者勝ち”の社会。速さをめぐって競い合うと、人間と自然との間の、そして人間同士の繋がりが絶たれ、その結果、環境破壊や、地球温暖化、紛争や戦争が起こってきた。“スロー”というのは、もう一度その失われた繋がりを取り戻せるところまでスローダウンしよう、という意味です。ぼくたちは、自然界との繋がり、人々との繋がりやコミュニケーションなしに生きていけない存在です。またその繋がりこそが歓びであり、生き甲斐ですよね」
(辻信一先生のことばより)


地元戸塚で「オーエン」という地域通貨を実験的に発行し、実績を重ねている善了寺(今回会場となった寺院)の住職さんと、全国に7万以上ある寺院が繋がって地域通貨を作ったら、きっと仏教界は檀信徒の皆さんを含めて、もっともっと元気になるでしょうね、という話で盛り上がりました。

通貨の単位は「縁」で。



■関連資料
全国地域通貨リスト

Name kameno : 03:50 AM | comments(4) | trackbacks

再生紙問題ー製紙業界に走る激震

有力6社で再生紙偽装 印刷用紙など幅広く

 製紙メーカーが年賀はがきやコピー用紙の古紙配合率を偽装していた問題に関連し、三菱製紙、大王製紙、北越製紙の三社は十八日午後、社長らが相次いで記者会見し、はがきやコピー用紙など幅広い品目で実際の古紙配合率が公表値を下回っていたとする社内調査結果を発表し、謝罪した。また、中越パルプ工業も同日夜、印刷用紙や包装紙などで偽装を行っていたことを認めた。これにより既に偽装を公表していた日本製紙グループ本社、王子製紙を合わせ有力六社がそろって偽装を続けてきたことが明確になった。 
日本製紙の社長は辞任の意向を示しているが、日本製紙以外で会見した四社の社長は辞任を否定した。
会見で各社は“業界ぐるみ”の様相を呈してきた再生紙の偽装について、激しい受注競争を背景に、営業を優先するあまり古紙利用と事実の公表をおろそかにした業界の体質などが影響したことを説明した。
偽装していた六社の紙全体の生産量のシェアは、合計で約80%(二〇〇六年)に達する。
しかし、偽装に手を染めた各社との取引を見合わせる動きも広がっており、今後、消費の現場に混乱を及ぼす恐れがある。
調査結果によると、三菱製紙は調査した二十品目中十一品目で偽装があった。環境に配慮した製品の購入を国などに義務づけたグリーン購入法に基づき、納入する全製品が公表値を下回っていた。公称100%の古紙配合率のコピー用紙(月産六百九十二トン)が実際は50%だった。
大王製紙も古紙配合率100%としていたコピー用紙の実際の配合率は41%だった。北越製紙はグリーン購入法対象の印刷用紙で公称配合率70%に対して実際は19%だった。
(東京新聞2008年1月19日 朝刊)


日本製紙、古紙の配合率を契約より低く・年賀再生紙はがき 

日本製紙は9日、古紙を使った「年賀再生紙はがき」用紙の古紙配合率が契約で取り決めた水準を大きく下回っていたと公表した。契約では古紙を40%使うとしていたが、実際は「1―5%程度」(同社)にとどめていたという。日本製紙は40%の古紙配合率では十分な品質を確保できないと判断。配合率を引き下げていた。(日経新聞)



 

昨年、再生紙・非木材紙は本当に環境にやさしいか という記事の中で、グリーン購入法と再生紙の問題について書きました。
去年一年は「偽」という一字に象徴された年だったようですが、年を越えてなおこのような問題が明るみになるということが残念です。

まだまだ発覚していない「偽」はたくさんあるのでしょう。


さて、昨年の記事での結論のうち、再生紙については、古紙100%使用の再生紙についての疑問を提示しました。
その際の結論の一つが


結論(2)
紙の原料のうち、木材パルプについては、
環境的持続可能性(生物多様性の維持、生態的プロセスや生態系の保全)、
社会的持続可能性(森林に依存している人間社会の維持)、
経済的持続可能性(継続的な木材生産と健全な森林経営)
などを念頭において生産されることが必要であり、また、紙の使用目的に応じて、それぞれの古紙の配合率を考え、その中で全体として古紙配合率を高める(決して100%ではない)ことこそが、環境にやさしい紙であると言うことができるでしょう。


というものでした。
そもそも、古紙100%配合の再生紙そのものが環境に優しいわけではないし、しかも技術的にほぼ不可能であるというのに、グリーン購入法で古紙100%の再生紙購入を義務付けるという馬鹿げた構図が引き起こした偽装体質であると言わざるを得ません。

まずは日本製紙のプレスリリースを見てみましょう。

News Release 日本製紙 2008 年1 月16 日 弊社製品に関する社内調査結果について

このたび、弊社が再生紙として製造している製品における古紙パルプ配合率について、全製品を対象にして調査した結果、決められた配合率を下回っている製品が葉書以外にも判明しました。その内容は別紙のとおりであり、それらの中には、グリーン購入法の基準を満たしていない製品もあります。弊社といたしましては、環境問題が国民の主要な関心事となっている今日、国民の皆様の信頼を裏切ってしまった事実を深刻に受け止め、ここに深くお詫び申し上げます。
このような事態を引き起こしました背景には、古紙パルプの配合率を上げることにより、再生紙の使途に求められる品質を実現することが、現状の弊社の技術レベルでは困難であるという問題があります。


当初から出来ないことがわかっていた訳です。


これまで弊社は、古紙は貴重な資源であるとの認識に立ち、古紙活用の最大化を技術的な課題として努力してまいりました。しかしながら、特定の古紙パルプ配合製品に求められる品質上の問題への対応に苦慮し、その結果、古紙パルプ配合率を下げることによって求められる品質の実現を優先させてしまいました。

環境意識の高まりにより社会からの要求が技術的に困難なレベルのものを要求されるようになり、品質を下げるよりは偽装を選んだということです。
しかしながら、このような論理がわかりません。
まったく釈明にもなりません。
古紙100%の再生紙を作ってみて、コストはこれだけ高くなります、品質はこれだけ落ちますということを素直に提示するべきでした。
それにより、グリーン購入法がいかに馬鹿げた現実離れした法律かがわかりますから。

こうした判断と行為は、これまで日本政府や組織団体、そして多くの国民の皆様が意識を持って取り組んでこられた環境保全に対する活動に水を差すものであり、たとえ「環境偽装」と言われたとしてもこれを否定できるものではありません。どんな理由があるにせよ決して許されない行為であります。

決して許されないでしょう。


結果として多くの皆様の善意を踏みにじることになってしまいましたことに対し深く反省するとともに、このような結果になってしまいましたことを重ねてお詫び申し上げます。経営責任につきましても、この事態を重く受け止め、原因の究明、責任の所在等、全容が明らかになった段階で、あらためて発表させていただきます。
今後の弊社の取り組みといたしましては、二度とこのようなことが起きないよう、再発防止体制とコンプライアンスの徹底を、外部の識者を交え実現させてまいります。また、古紙活用の最大化を目指し技術開発に取り組んでいくことはもちろんのこと、バランスを考えて古紙を上手に無理なくたくさん使う取り組みを進めてまいります。紙の用途に応じて、求められる白さや保存性を考慮した上で最適な古紙パルプの配合に努め、全体として古紙利用量を増やしていきたいと考えております。
このような弊社の取り組みを、お取引先及びお客様をはじめ、関係者の皆様にご理解いただけるよう、今後あらためて努力してまいります。


古紙100%の再生紙は、今後、ほぼ生産されなくなるでしょう。
そうなった場合、グリーン購入法はどうなるのでしょうか。
そもそも、再生紙の定義って何ですか?

日本製紙の実態調査の結果も余りにも酷いです。


年賀葉書は、殆んどが再生紙はがきです。
その古紙パルプ配合率の仕様基準は、化学パルプ 60%、古紙パルプ40%とのことですが、実際の古紙パルプ配合率の実績は、今年平成成20年用の年賀葉書きで実に1%

。これでは古紙パルプの配合を行っていませんでしたと言っているのとほぼ同じです。
なお、年賀葉書は平成8年用から再生紙化されていますが、それぞれ5%以下(1%~5%)とのことです。

■日本製紙の言い訳
葉書用紙が再生紙化された平成4年当時、工場内発生損紙も古紙として認識し、古紙パルプ6%と合わせた30%でテスト生産した結果、近い将来の技術革新で配合率40%の実現が可能と営業判断し受注を開始しました。その後、工場内発生損紙が古紙パルプとして認められないことがわかり、本来は古紙パルプを増配すべきところ、古紙由来のチリ、墨玉等の夾雑物が多くなるため品質を確保することができずに、古紙パルプ配合率が低いまま生産しておりました。それ以降、現在に至るまで配合率を上げるべく操業努力してまいりましたが、入荷する古紙の品質低下、異物混入に対する品質管理要望が高まり、配合率は上記の通り乖離しておりました。

それでは、コピー用紙などはどうでしょう


年賀葉書以外の製品について
(1)古紙パルプ配合率の基準と実績
現在生産を行なっている、古紙パルプ配合率の基準が設定されている製品のうち、コピー用紙などの製品に、残念ながら、基準と実績との間に乖離が確認されました。

再生紙として生産している銘柄 (生産量:H19年10月~12月)
(1)グリーン購入法対象品
情報用紙 コピー用紙  公称100% ⇒ 実際の配合率 59%  月生産量 6,540t

(2)グリーン購入法適用以外の再生紙
 情報用紙 コピー用紙 公称 100%・70% ⇒ 実際の配合率 11%  月生産量4,415t

グリーン購入法を対象とする製品で基準に満たない製品があります。これらの製品につきましては、当社ブランド品については、直ちに生産を中止することとします。
また、お客様のOEMブランド品、および特定のビジネスユーザー向けの製品(特抄品)で、当初の交渉において取り決めた古紙パルプ配合率から乖離が出ているものがあります。それぞれのお客様に至急ご相談申し上げ、誠意ある対応をしてまいります。
また、付表にある、過去に生産した在庫品につきましても、お客様に至急ご相談申し上げ、誠意ある対応をしてまいります。


誠意ある対応として、古紙100%の再生紙と交換する・・という対応は考えられないですね。
生産できないわけですから。
とすると、品質の良いバージンパルプ100%の紙と交換するとか(皮肉)・・・・

■日本製紙の言い訳
①印刷用紙
製品の発売当初(平成11年ごろ)は、配合基準に合わせて古紙パルプを配合しておりましたが、古紙の品質低下により、製品品質として求められる夾雑物の基準を維持することができなくなる場合もありました。これまで古紙処理技術の改善等に努めてまいりましたが、古紙パルプの配合が基準未達となるケースが発生しました。
②情報用紙、包装紙他
平成2年ごろより、リサイクル推進の観点から、コピー用紙の再生紙化を進めておりましたが、この時点では、古紙パルプ配合率の増加を努力目標としてとらえておりました。しかしながら、平成13年にグリーン購入法が施行された以降も依然として努力目標として考えており、同法の趣旨に関する理解が不足しておりました。
一方で、当初より求められる品質レベルが高かったため、古紙パルプ配合率を上げるのが容易ではないという事情がありました。その間にも、古紙パルプ配合率を増加させる努力は継続してまいりましたが、それでも、近年、消費者の皆様が保有している昨今の多種多様な出力端末機器や、その用途に対しさらに高い品質レベルが求められるようになり、加えて入荷する古紙の品質が低下するなどといった問題を抱えるようになったため、結果として古紙パルプ配合率を上げることができませんでした。その他の紙についても、同様な理由です。

3.再発防止策と今後の対応 年賀葉書だけでなく、それ以外の製品における古紙パルプ配合率が、決められた基準と乖離していた事実は、多くの国民の皆様の信頼を踏みにじる行為であったと深く反省しております。乖離を生じている再生紙製品の生産につきましては、弊社ブランドの古紙パルプ配合率の乖離品については、弊社として生産および販売の中止を指示いたしました。また、当該製品に関する一切の受注を中止いたしました。今後、乖離品の製造はいたしません。


古紙100%の再生紙はもう私たちの目にすることができない幻の紙になってしまったようです。


せっかくの機会ですから、新しい古紙100%マークを作ってみました。

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関連記事  再生紙・非木材紙は本当に環境にやさしいか
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寺と墓-誰も知らない巨大ビジネス

今日発売された 『週刊ダイヤモンド』 (ダイヤモンド社) が目に留まりました。

・特集 誰も知らない巨大ビジネス

寺と墓の秘密
多くの日本人の心に深く根づいている仏教。その根幹となる「寺」と「墓」の秘密を、この特集ではあえてビジネスの側面でとらえた。不謹慎とご批判を浴びるのは承知のうえで、現状の分析や問題点の指摘、将来の考察など、「寺」と「墓」の不思議な世界を多角的な観点から展開している。

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なかなか読み応えのある特集です。
このような内幕は、これまでは『寺門興隆』などのような専門誌などで扱われてはきましたが、一般的にはなかなかその経済的な構造の全容は伝えられていないことが多かったはずです。
それゆえ、漠然と「坊主丸儲け」などと揶揄されたり、何だかわからないけれど触れてはならない聖域のように思われている部分もあったのだろうと思います。

表紙には
■お寺7万6000カ所、僧侶31万人が稼ぎ出す総額1.1兆円市場の全貌
■檀家制度の形骸化で二極化が進むお寺経営の明と暗
■10年間の盛衰がわかる全国153仏教宗派別「信者増減率ランキング」
■なんと粗利4割!?霊園開発儲けのカラクリ教えます
■いざというときに迷わない正しいお墓の選び方

という文言が並びます。
さっそく読んでみました。

まずは、P28-29 見開きの「寺を取り巻く市場相関図」。
全国7万6000カ寺を中心に「仏壇・仏具店」「石材店」「墓地・霊園事業」「観光事業」「副業その他」「葬祭業」が密接に結びつき、そこに「檀家・信者・非信者」が経済的にどのようにかかわっているかという図式が描かれています。
この図式がすべての寺院に当てはまるわけではないことをご理解ください。


【「寺」編】
■寺ビジネスの全貌-繁栄支えた檀家制度が形骸化 1.1兆円市場の厳しい現実
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(P28)
伝統仏教の信者は1955年を100とすると、1975年頃には200を越えましたが、1985年から急減し続けています。対し、寺院数は横ばい。
この数字が正しいとすると、まともに影響を受けるのは、都会に比べて信仰心の篤い地方であり、かつ高齢化・過疎化の進む地域の寺院です。
したがって、現在は二極的構造が進んでいるのですが、やがてこの流れが全体を覆いかねないと警告します。
さらに興味深いのがP32にある宗教法人の売買価格算定方法、つまり宗教法人の経済的価値の算定です。
基本価格5000万円+所有不動産価値、これにプラス査定として「宗派に属さない単立法人」「都会にある」、マイナス査定として「離脱が困難な宗派に所属」「地方にしか拠点が無い」「信者がない」という基準です。
所属宗派がプラス査定マイナス査定にかなり影響があるようです。


■Column  檀家300軒が採算ライン-税制面の優遇は盛りだくさん
「住職は寺の経営者であってオーナーではない。寺から給料をもらって生活しているのだ。だが、実際は寺の収入と住職一家のサイフがどんぶり勘定になっていることが少なくない。そして、現実には住職や家族が先生をやって、給料を生活費に充てていることも珍しくないのだ」(p33より)
この部分は、実際にそういうことがあるとすれば、一番の問題になるところです。やはり、会計上の流れは明確にしておかなければなりません。
P33には宗教法人税制の優遇制度に関する実例がわかりやすく描かれていますが、私たちは寺院会計において、宗教収入がなぜ非課税とされるのか。また、収益事業収入がなぜ公益法人として税制が優遇されているのか。そのあたりもよく胆に銘じておく必要があるでしょう。
公益性が明確にできないのであれば、税制の優遇制度も返上するくらいの心持ちでいたほうが良いのかもしれません。
この税制の恩恵を一番享受しているのは巨大新宗教団体です。


■お坊さんはつらいよ-生活支える読経アルバイト 住職になれない僧侶が増加中
「僧侶の世界は嫉妬の世界。変化を嫌い、出る杭を打とうとする。寺の世界は一種独特の閉鎖的な世界だ」(P34)
実に辛辣なことばです。かつては、寺の僧侶は先進的に印刷技術や土木技術、建築技術、食文化などの最先端を導いてきたはずです。何時から変化を嫌うようになってしまったのでしょうか。確かに伝統的に護持し受嗣いでいかなければならない部分はあります。けれども、変わらなければならない、変えていかなければならない部分もあるでしょう。
むやみに社会に迎合することは必要ないと思います。むしろ社会を導く原動力になり文化の発信の源になるというくらいの心構えを持っていて良いかと思います。


■改革寺の挑戦-没落寺ばかりではない! 経営盤石な“元気印”を一挙紹介
まあ、この項は、こんな事例もあるのかな~という感じで読ませていただきました。


■緩む宗派のタガ-愛想尽かした末寺が“反乱” 疲弊するフランチャイズ制度
包括法人と非包括法人の関係、本山・末寺の関係です。
宗費賦課金を包括法人に拠出し、僧侶資格付与や布教支援を受けるという関係です。
宗派というブランド力の低下により、宗費についてどのように考えていくのかという項ですが、ここは、特に曹洞宗を中心に取材を行ってるようで、宗費賦課金の計算方法や記事の内容も曹洞宗の内容に沿った形で書かれています。
「賦課金の決め方には自己申告項目があり、末寺は虚偽申告をすることで賦課金を安くする傾向が強く、ここにも不公平感が強まっていた。そこで曹洞宗は賦課金制度を07年度から変更し、地域補正、県民所得補正を取り入れた、より正確で実情に合った査定方により負担感の強かった地方に対する改善も実施した」(P42)
宗費賦課金の算定方式は、曹洞宗が一番細かく複雑な方法をとっています。それゆえ、わかりづらいという声も多いことも確かです。
いかに公平に、いかにわかり易く・・・というのが永遠の課題であると思います。
ところで、P42の賦課金の計算方法の図ですが、間違いがあります・・・ダイヤモンドさん。


■Ranking  仏教宗派別の信者増減率ランキング
これは実に興味ある表です。
是非一読ください。
曹洞宗がデータ不足で増減の計算ができていないのが残念ですが、その理由は明確です。
一つ前の項目で書きましたので敢えて書きませんが。


【「墓」編】
■霊園開発のからくり-宗教法人も名義貸しで協力 石材店の粗利はなんと4割!?
このあたりは、かつてはタブーとされていた領域ですね。
いかに利権が絡んだ世界であるかが明確にわかると思います。
もはや墓地は檀信者を引き止める手段とはなりえなくなっています。
改葬方法の具体的手続きチャート図(P56)が私たちにとっては一番の脅威であり、心しておく必要がある部分と言えるでしょう。

■Column  消費者を手玉に取る石材店の墓石販売の手口
正しい墓の選び方-どこにどんな墓をつくるのか 今だからこそじっくり考えよう
■Chart  お墓選びのフローチャート
公営霊園  安くても供給量や遺骨など条件厳しい
民営霊園  選択肢は幅広い ポイントは絞り込み
■Column  バチ当たりか、人助けか 拡大する墓参り代行ビジネス
寺院墓地  交通至便がメリット 金銭面では高めに 
■墓石の選び方  最大のカギは信頼できる石材店探し
永代供養墓  「家」にこだわらず後に憂いを残さない 
納骨堂  墓不足背景に増加 ネットで進化著しい
自然葬  樹木葬から散骨、宇宙葬まで種類豊富
■改葬の方法  住職の理解が不可欠 費用も覚悟がいる

 


今号の『週刊ダイヤモンド』は、僧侶にとっても、関連業者の方にとっても、お寺の檀家さんにとっても、どのお寺にも属していない方にとっても一読の価値のある特集だと思います。
こういう内容を一部の業界の中の暗黙の了解にしておくことは、長い目で見れば決して良いことではないでしょう。
明確にするべきことは明確にし、少なくとも収益事業収入については完全に透明性のあるものとする必要があるはずです。
経済学は、最大多数の最大幸福の実現を目標とします。そのために限られた資源をどのように配分すれば人々の満足が高まるかを考察します。
対し、仏教は欲を制するという発想の転換を提示します。
経済活動に係わる世間と、菩薩行を実践する世界という異なる概念を強引に一致させる必要はないでしょう。両者をバランスをとらせつつ問題点があれば真摯に取り組み改善していかなければ寺院の将来は明るくないといえるでしょう。
逆に言えば、真摯に取り組み、改善していくことのできる寺院のみが生き残っていくのでしょう。

そして、もう一つ付け加えるとすれば、「改革寺の挑戦」の項にあるようなことまでは行う必要はなく、ただ行うべきことを行うことだけで充分であると感じます。


まあ、あまり内容をネタバレさせてもいけませんので、書店やコンビ二などで是非読んでみてください。
皆さまはどのようにお感じになったでしょうか。


■関連リンク
貞昌院檀信徒向け情報

寺院の果たすべき社会的責任
寺院の数はコンビニの数よりもずっと多い


Name kameno : 12:01 AM | comments(0) | trackbacks

次世代DVD規格競争ついに決着か

米ワーナー、ブルーレイに一本化・DVD規格争い、早期決着も

ソニー、東芝両陣営による新世代DVDの規格争いで、米映画大手ワーナー・ブラザーズは4日、東芝陣営の「HD―DVD」規格のDVDソフト販売から撤退し、今年6月からはソニー陣営の「ブルーレイ・ディスク(BD)」規格のソフトだけを販売すると発表した。米DVD市場で20%前後のシェアを持つワーナーの戦略転換で勢力図は大きく変わり、規格争いが早期決着する可能性も出てきた。
BDを支持する映画会社のDVDソフトの販売シェアは、ワーナーのほかソニー・ピクチャーズエンタテインメント、ウォルト・ディズニー、20世紀フォックスなどをあわせて70%弱となる。HD―DVDを単独支持するパラマウント・ピクチャーズ、ユニバーサル・ピクチャーズの合計シェア20%強を大きく引き離す。
(IT+PLUS)



直径12センチの円盤型の記録媒体は、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)というように大容量化が飛躍的に進んでいるところですが、記録データの大規模化、ハイビジョン放送の普及などにより、さらに大容量のメディアが求められ、いわゆる次世代DVDといわれる記録媒体が少しづつ市場に出回ってき始めました。

この次世代DVDについては、かつての家庭用VTRに見られたβ・VHSのような規格の分裂が再び見られ、日本のメーカーを中心にアメリカの映画会社やパソコン会社などが、東芝とNECが提唱するHD DVDと、ソニー・松下を中心にそれ以外の企業が参加するBlu-ray Disc両陣営に分かれて規格争いを繰り広げているところです。 
その特長を端的に表現すると「作りやすさのHD DVD」と、「大容量のBlu-ray」ということができます。

またか・・・・という感じで、冷めた目で市場の動向を見ていましたが、いよいよ決着がつきそうな気配となりました。
 


そもそも、このような規格の分裂による争いは、消費者にとって不利益になることが多く、特に敗北した規格を購入してしまった場合には購入のし直しをしなければならないというように、大きな損失となってしまいます。
そのために、規格争いが決着するまで購入を見合わせている人も多かったはずです。
けれども、今後はある程度見通しが立ったことと、デジタルハイビジョン放送の普及に伴い、急速に次世代DVDの需要が増えることは想像に難くありません。
 

次世代DVDでは、HD DVD陣営が、2006年に東芝が世界初のHD DVDプレーヤー「HD-XA1」を発売するなど、一歩先にスタートしました。

Blu-ray Disc陣営は、半年以上遅れて松下が「DMR-BW200」「DMR-BR100」を発売。
価格を安く設定することで巻き返しを図ります。

次世代DVDの発売からまもなく2年。
日本における昨年10-11月の家電量販店2,300店舗のPOSデータベースで見る次世代DVDの売上シェアは、HD DVDは僅か2%、Blu-rayは98%となっており、既に圧倒的にBlu-ray優性の状況にあります。

ただ、欧米市場では、両者の差はそれほどついておらず、DVDソフトの販売枚数ベースでは、HD DVD 約30%、Blu-ray 約70%の割合となっています。
このままHD DVD が敗れると30%の消費者が(Blu-rayが敗れると 約70%の消費者が)かつてのβビデオの所有者のような不利益を被ります。
消費者に不利益な争いは、早く止めて欲しいものです。


β・VHS戦争を決定づけたのはソフトウエアコンテンツのパッケージ販売だったといえます。ですから、昨日の報道はHD DVDを推奨する東芝陣営にとってはかなりの痛手であることは間違いありません。

Blu-ray優性の流れを止めることはかなり困難ではないでしょうか。

Name kameno : 05:28 PM | comments(0) | trackbacks

師走の値上げラッシュ

きょうから値上げラッシュ、パンも菓子もガソリンも!

食パンやお菓子、ガソリンなど暮らしに身近な商品の値上げが1日から始まった。
今後もタクシー料金や即席めん、ビールなど値上げラッシュが続く。出費がかさむ年末年始の家計にとって痛手となりそうだ。
山崎製パンは1日、食パンや菓子パン、和洋菓子などを約8%値上げし、不二家もケーキやシュークリームなど定番の46商品の価格を段階的に引き上げ始めた。
石油元売り最大手の新日本石油は1日から灯油やガソリンの卸価格を前月より6・7円(1リットルあたり)引き上げた。ガソリンの平均店頭価格は150円から155円程度まで上昇するとみられる。
東京地区のタクシー運賃は3日から初乗りの上限が660円から710円に引き上げられる。ビールではキリンビールが来年2月1日から、アサヒビールが3月1日からそれぞれ値上げする予定だ。
(12月1日 読売新聞)


12月に入り、今年も残り1ヶ月となりました。
今年は年末に向けて家計に厳しい冬となりそうです。
特にガソリンの値上げが顕著で、街中のガソリンスタンドではレギュラーガソリン150円台後半の店が目立ちます。
こうなっては、まだたまに見かける140円台のスタンドを見つけては給油をするということ、自動車の使用は最低限に留めるというのがせめてもの抵抗です。

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そのような中、次のような報道もあります。




<生活保護>扶助基準の引き下げ容認 厚労省の検討会議

生活保護費の見直しを議論していた厚生労働省の検討会議(座長・樋口美雄慶応大商学部教授)は30日、生活保護費のうち食費など日常生活にかかわる「生活扶助基準」の引き下げを容認する内容の報告書をまとめた。生活扶助基準の引き下げは、同基準と連動している低所得者向け低利貸付などの福祉施策や最低賃金にも影響する。厚労省は来年4月実施を目指すが、具体的な引き下げ額については「慎重に検討する」としている。
07年7月現在の生活保護受給者は153万2385人。その7割以上が一人暮らしで、ほぼ半数が60歳以上。既に老齢加算が06年度に全廃され、母子加算も段階的削減され09年度に全廃されることが決まっている。しかし、生活扶助基準が、生活保護費を受けていない低所得世帯の消費実態に比べて高めだとの指摘もあり、見直しを検討してきた。
報告書は、04年全国消費実態調査の結果を基に、収入が全世帯のうち下から1割の低所得世帯と生活保護世帯を比較。夫婦と子供1人の低所得世帯の月収は14万8781円だが、生活保護世帯の生活扶助費は1627円高い15万408円だった。また、60歳以上の一人暮らしも低所得世帯は6万2831円だが、生活保護世帯は8371円高い7万1209円だった。このため、低所得世帯の水準に引き下げることを事実上容認する内容になっている。
生活保護制度は、地域の物価差などを基に、市町村ごとに受給基準額に差をつけている。最も高い東京都区部などと最も低い地方郡部などでは22.5%の格差があるが、報告書は「地域差は縮小傾向」と指摘した。
検討会議は、小泉内閣時代の骨太の方針06(経済財政運営と構造改革に関する基本方針)に、08年度に生活扶助基準を見直すことが明記されたのを受け、先月中旬から行われていた。厚労省は今後、報告書の内容に沿って具体的な引き下げ内容を決め、厚労相が告示する。地域差を縮める形で引き下げるとみられる
(11月30日 毎日新聞)



生活保護は、生活困窮者の生活を支える最後のセーフティーネットであります。
この値上げラッシュの時期にあって扶助基準が引下げられると。受給者にとってはまさに死活問題です。

昨年は70歳以上を対象に一定額を上乗せする老齢加算が全廃されました。
さらに、来年には母子家庭への児童扶養手当加算も全廃される予定です。

経済的弱者に厳しい施策というのは如何なものでしょうか。

Name kameno : 02:11 PM | comments(0) | trackbacks

自動車は脱石油の時代へ

NY原油、史上初96ドルを突破…金も28年ぶり高値

ニューヨーク商業取引所の原油先物相場が10月31日(日本時間11月1日)、米追加利下げなどを受けて急騰し、史上初めて1バレル=96ドル台をつけた。
国際的な指標であるテキサス産軽質油(WTI)の12月渡し価格は、通常取引後の時間外取引で、一時1バレル=96・24ドルと、前日の通常取引の終値(90・38ドル)から6ドル近く上昇し、史上最高値を更新した。
これに先立つ通常取引でも前日比4・15ドル高の1バレル=94・53ドルで取引を終え、終値の史上最高値を2日ぶりに更新した。
米エネルギー情報局(EIA)が同31日発表した統計で、米国の原油在庫が前週より390万バレル減少し、需給が引き締まるとの観測が広がった。また、米追加利下げを受け、ドルの対ユーロの為替相場が最安値を更新し、ドル建て取引の原油市場への投機資金の流入が加速した。7~9月期の米実質国内総生産(GDP)成長率が3・9%と予想を上回ったことも買い材料となった。中東情勢の緊迫化も背景にある。
(読売新聞)



原油価格が上昇しています。
原油価格の高騰は、物流コストや石油由来の製品の直接的な値上げをもたらし、物価上昇の引き金となります。
ガソリンスタンドでは、今日から一気に値上げをしたところも多く、この近辺ではレギュラーガソリンがリッター当たり150円を超えることも珍しくありません。
車はガソリンや軽油を燃料とするものが殆んどですが、今後は脱石油の動きが加速していくことでしょう。

本年のモーターショーで、これは乗ってみたいと思う車がありました。
それは三菱自動車の電気自動車『i MiEV』です。

mie_bod.gif

現在、電力会社との共同研究や実証走行試験を行っているところで、一回の充電での走行可能距離が160キロを超えることが出来た段階で発売されるという事です。
おそらくあと2年前後で発売になることでしょう。
その頃には、今乗っている車が6回目の車検を迎えます。


『i MiEV』は電気を家庭用コンセントからリチウムイオン電池に取り込むのですが、電気自動車ならではの特徴は

■CO2排出量の軽減
走行中にCO2を全く排出しません。
発電時のCO2排出量を含めても、同クラスのガソリン車のわずか3割です。

■燃費の節約
ガソリン代に比べ、安価な電力を利用するため、同じ距離を走行するための電気代は、昼間電力でも1/3!、夜間電力では1/9!になります。

■キビキビと
低速から高いトルクを発生する小型・高効率モーターによって、力強く加速します。

■静かに
エンジンのような上下振動を伴わない電気モーターによって、極めて静かに走行することができます。

■どこでも充電できる
車載の充電器を使って、ご家庭の100Vあるいは200Vのどちらの電源でも充電できるほか、電力会社等で開発中の急速充電器を使えば短時間で充電できます。

このようなメリットも魅力的ですが、キュートなスタイルが素敵です。


『i MiEV』の発売が待てない方には、鉛バッテリーカーとしてタケオカ自動車工芸の 『REVA-CLASSIC』 とか 『ミリューR』 などが既に発売されています。
特に 『ミリューR』 は棚経とかに便利そうです。


これらの電気自動車は、今後急速に普及していくことでしょう。
一番のデメリットは充電に時間が掛かることですね。
急速充電という方法がありますが、バッテリーの寿命を縮めてしまいます。


ところが、この問題を一気に解決する技術があるのです。
それがキャパシタです。

「5分の充電で800km」新キャパシタ電気自動車

米EEStor社は、従来蓄電量の限られていたキャパシタを変革、容量の飛躍的な増大に成功したと主張している。まずはカナダ企業の電気自動車に搭載されるが、5分の充電で800キロメートルも走行できるという。

この記事の内容がどこまで信頼できるかは不明ですが、とにかくキャパシタは今までの充電池の感覚を覆すほどの画期的な技術です。
まさに、「電気自動車業界のアキレス腱は、エネルギーの貯蔵だった。間違いなく、これによって内燃機関は不要になる」という言葉が重みをもってきます。

私たちの身の回りには充電を要する家電製品が溢れています。
電気コードからの呪縛を解いてくれたのが充電池なのですが、なにせ充電に数時間を要します。
毎日使用するものであればなおさら充電に手間が掛かります。
しかし、キャパシタは化学的に電気を蓄えるのではないため、数秒~数分で充電が完了します。
電気自動車に限らず、あらゆる家電製品の利便性を飛躍的に高めてくれることでしょう。
期待大です。



もう一つ、着目すべき画期的な技術がありました。
それは三洋電機の 車載用全方位モニタシステム です。

これは、車体の四隅に取り付けられたカメラからの画像を処理し、ゆがみを補正し、あたかも上空から自分の車を見下ろしているような映像として合成し、車の死角を無くすというものです。

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ミラーや車載カメラは凸レンズであったり広角レンズの画像そのままであったりしました。
それはできるだけ多くの画角を確保するために必要なことですが、その分画像はゆがみ、運転手がゆがんだ画像から状況を判断しなければなりませんでした。
コンピュータにより、このゆがんだ画像を処理し、つなぎ目の気にならない、あたかも自車を数十メートル上空から見下ろしたような直感的に見やすい映像を実現しています。
これは画期的な技術です。

車の運転でミラー越しのバックが苦手な方は多いのではないでしょうか。
駐車場の枠内にきちんと収めて駐車するためには空間認知力が必要とされます。
しかし、この方位モニタシステムを使えば、駐車も楽になるでしょう。
障害物や人がどこに位置しているのかも一目瞭然です。

このようにできるだけ運転者の負担を減らし安全性を高めることは必要です。
普及が進み、少しでも事故が減少することを願って止みません。


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元気な印刷会社から学ぶこと

お寺関係の活動の中で、様々な印刷物を作るということがよくあります。
寺報、しおり、経本、ポスター・・・・・・

それこそ多種多様な印刷物があります。
自前のプリンターで作成できるものは良いのですが、部数が多かったり、カラー刷りをしたり、大判で仕上げたりという場合には、やはり印刷会社にお願いすることになります。
何社もの印刷会社とお付き合いがありますが、その中の三社についてご紹介します。




地元D社

主に、教区で発行している刊行物『生きる力』をお願いしています。
『生きる力』は、毎年夏の施餓鬼会の時期に合わせて教区檀信徒の皆様向けに作成している教化資料です。
21か寺、10000部以上の発行部数を誇ります。

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「生きる力」30号発行に向けて


この印刷会社は、いわゆる「職人気質」をもっています。鉛の活字を今も保存していて、昔ながらの厳格な印刷技術を受継ぐ会社です。
鉛の活字で印刷してくれるところって本当に少ないと思いますが、実は、私の名刺もこの印刷会社にお願いして活版で作っていただいています。
パソコン写植では、文字がきっちりと配置されますが、活字ならではの、文字配置や文字の太さなどの微妙な揺らぎがいい味を出しています。

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『生きる力』の編集作業は、パソコン上でワードを使って、教区出版部で校正作業を行うと同時に版組みを作成しています。その版を印刷会社に渡すだけで、そのまま製本をしていただいていますので、いわゆる印刷会社から来る校正版というものは無く、ただ色校正のみを行うだけで完成品が納入されます。
ここの専務さんには本当にお世話になっています。
10000部の冊子っていうのは半端な量ではありません。それを数箇所の拠点に納品していただいていますが、そういう大変な作業も快く引き受けてくださっています。




S社

ここには、主に、貞昌院に事務局があるSOTO禅インターナショナル(SZI)関係の印刷物をお願いしています。
一番多いのは、年3回発行される会報なのですが、こちらはインターネットを活用して、主に校正作業はネット上に置かれたPDFを用いて行っています。
幸いにも、SZIスタッフにはインターネットに長けた方が多いので、原稿の集約や、編集会議などについて、インターネットを通じたやりとりで基本的な編集作業は完了します。そして、第一校正、第二校正、第三校正(校了)と、その段階ごとに印刷会社にネットを通じて校正内容をおしらせし、それを元に出来上がってきたPDFで確認をするわけです。
この会社の素晴らしいところは、テキストベースで原稿を送るだけで、きちんとデザインされた会報が仕上がってくるということです。そして、作業が早いということ。
それが何よりも嬉しいことです。


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紙の文書を電子文書化することのメリット


P社


最近は、チラシやポスターなどを印刷することが多くなりました。
フルカラーの印刷物を作成する際に、一番の障壁になることは、料金の高さでしょう。
ところが、そんな固定概念を覆してくれるのが、このP社です。

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シルクロード・音楽の旅@檜ホール


ここの会社は、発注から受取まで、全てインターネットを通じて行います。
入稿する原稿は、完全なデータであることが条件です。つまり、文字校正とか、色校正などは基本的に行われません。データは直ぐに印刷工程に回されます。
ですから、最短翌日とかのオーダーにも問題なく応えてくれます。

ここの会社の特長の一つは、とにかく発注から印刷物完成まで、段階ごとに細かい連絡をしてくれるということにあります。
もしも、データに何らかの不備があった場合は、例え夜中であろうとも、即時メールにてお知らせしてくれます。
こちらからの問合せについても、基本的に365日深夜まで対応してくれます。

そして、もう一つ、この印刷会社は、単に安かろう早かろうという会社ではないということは、納品された印刷物に同封されている「私たちの志」「お客様のアンケート」に見ることができます。

なぜ、このような印刷会社を立ち上げたのか、会社設立から現在に至るまでの熱い思いが書かれており、そして、これからもユーザーの意見を積極的に取り入れて、向上心と意欲をもった態度がよくわかるのです。

■欲しいと思われる方が、気軽に手軽に印刷物を手に入れられるようにしたい。
■印刷の持つ良さをもっと広く普及させる存在になりたい。
■心のこもった商品を作ろう。

このようなことを口先だけで言う事は簡単です。
それを真摯に実践できるかどうか、それが企業の真意を問われるところなのでしょう。

ご利用いただいたお客様からも、毎日お喜びの声を多数いただくようになりました。逆に、立上げ当初から現在にいたるまで「ここは使いにくい」「もっとこういうことはできないの?」といったご要望もいただけるようになり、一歩づつ改善を進めております。おかげさまで皆様に育てていただき、何とか軌道に乗ってきた今、私たちは今一度「初心」を確認したいと思っています。(印刷会社より届いた手紙より)

印刷業界は、厳しい時代を迎えています。
けれども、そのような逆境の中でも、このように元気な企業もあります。
それは何故なのか。

私たちも(お寺の行事にも、なにかのイベントにも)学ぶことは多いと、常々感じています。
元気な姿は、私たちにも元気な活力を与えてくれます。

Name kameno : 08:23 AM | comments(0) | trackbacks

お寺とマックとセブンイレブン

お盆の棚経廻りも今日からピークを迎えます。
訪問先の檀家さんの皆様、よろしくお願いいたします。

さて、お盆に先立ち、7月11日(セブンイレブンの日だそう)に、こんなニュースがありました。


セブン-イレブンがチェーン店数で世界一に

コンビニエンスストア、セブン-イレブンの店舗数が世界一になった。セブン-イレブン・ジャパンは11日、世界のセブン-イレブン店舗数が今年3月末で3万2208店となり、ハンバーガーチェーンのマクドナルドの世界店舗数3万1062店(3月末現在)を抜き世界最大のチェーンになったと発表した。
セブン-イレブンは、1927年に設立されたサウスランド・アイス(現セブン-イレブン・インク)が米テキサス州で創業した氷小売り販売店が1号店。コンビニエンスストアの元祖とされ、今年80周年を迎えた。
日本のセブン-イレブンは74年に1号店がオープン。2005年にはセブン-イレブン・ジャパンが、米セブン-イレブン・インクを完全子会社にしている。
小売業ではすでに世界最多の店舗数だったが、ファストフードを含めても最多店舗数になったことが分かり、7月11日の「セブン-イレブンの日」にこれを発表した。
セブン-イレブンは、米国、日本、台湾、タイ、韓国、中国、スウェーデンなど世界17カ国・地域に出店。6月末の店舗数は3万2711店で、この3カ月間でも503店舗増えている。
(産経新聞)



すごいですね。
生活には欠かせない存在となったコンビニエンスストア。
日本のどの街に行っても必ず目にしますが、セブンイレブンは日本だけでなく世界17の国と地域に店舗を巡らし、ついに世界最大のチェーンになったという報道です。
これまではマクドナルドがその記録を持っていたとのことですが、マクドナルドが、ほぼ全世界中にネットワークを張り巡らしているのに対して、17カ国・地域での記録はすごいです。
それだけ、まだ未進出地域に出店する可能性があるわけですから。

さて、ここで、前に書いた記事を併せてご参照下さい。

寺院の数はコンビニの数よりもずっと多い


文化庁発表のデータ(平成18年)を見てみると

全国社寺教会等宗教団体数 

項目
宗教団体(宗教法人む)
宗教法人
神社
寺院
教会
布教所
その他
神社
寺院
教会
布教所
その他
  総数 81,245 77,069 32,843 25,265 7,449 223,871 81,199 75,949 23,991 536 1,121 182,796
系統  
神道系 81,166 11 5,543 1,059 806 88,585 81,135 8 3,888 183 214 85,428
仏教系 21 77,020 2,432 2,443 4,452 86,368 19 75,905 1,223 158 449 77,754
キリスト教系 2 7,021 1,194 1,159 9,376 4,030 33 212 4,275
諸教系 58 36 17,847 20,569 1,032 39,542 45 36 14,850 162 246 15,339


仏教系宗教団体数 77,069
仏教系宗教法人数 75,949

やはり多いですね。


セブンイレブンは17か国で 32,208 店
マクドナルドも世界中に   31,062 店
ということを考えると

日本一カ国で  75,949 というのが、いかにすごい数字かがわかると思います。
これだけある寺院がネットワークとして結びついて機能するようになると、それはそれは強大なネットワークになると思います。


そんなことを心の隅に感じながら棚経を回っていきます。
棚経というのは、檀家さんとお寺とを結ぶ、大切なネットワークのひとつですから。

Name kameno : 12:37 PM | comments(0) | trackbacks

禅プロジェクト

六本木・東京ミッドタウンの「ザ・リッツ・カールトン」、六本木ヒルズの「グランドハイアット」、丸の内には「フォーシーズンズホテル」、日本橋には「マンダリン・オリエンタル」、汐留には「コンラッド」というように、近年、高級ホテルが次々と開業し、過剰なまでの競争を繰り広げています。

対して、帝国ホテルやニューオータニなど、老舗のホテルも負けてはいられません。
新しいアイディアを出して対抗しています。

その中で、注目すべきプロジェクトがホテルニューオータニで現在進行中です。
その名も、 「エグゼクティブハウス“ZEN(禅)”(仮称)」

まずは、ホテルニューオータニの「ハイブリッドホテルプロジェクト」について見てみましょう。



ホテルニューオータニ(東京都千代田区紀尾井町、総支配人 清水 肇)は、お客さまの安全や快適性と、地球環境への配慮の両立をめざし、2005年11月から2007年10月の2ヵ年、3期計画、総事業費約100億円で推進している「ザ・メイン」(本館)のリニューアル「ハイブリッドホテル プロジェクト」の第2期オープンを2007年4月11日(水)に迎え、プロジェクトでリニューアル予定の総室数のうち約70%、435室の営業を順次開始します。

■ハイブリッドホテル プロジェクトとは?
「地球環境への配慮がお客さまの真の快適さにつながるホテルづくり」という、業界初のリニューアルコンセプトで取り組んでいる当プロジェクトでは、「安全」・「環境」・「快適性」をキーワードとして、以下のような具体的な施策を実現します。

「安全」 ・・・ 最新技術の導入による耐震性強化構造体への制振ブレース取り付けや耐震処置により、阪神・淡路大震災を想定した震度6強以上の大地震に対しても建物の安全性を確保。

「環境」 ・・・ 環境レベルの飛躍的向上オリジナル新空調システム「AEMS(エイムス)」により、総エネルギー使用量を22.7%、CO2排出量を28%削減しながら、お客さま一人ひとりの要望にきめ細かく対応した室内空調環境を実現します。
また、ザ・メイン2階及び16階屋上部分(総面積約2,800㎡)の「屋上緑化」により、ヒートアイランド現象を緩和します。

「快適性」 ・・・ 抜群の眺望とITインフラの拡充リニューアル前に比べて約2倍の大きさとなった、壁全面ガラス張りの窓「フルハイトウインドウ」は、開放感溢れる空間演出をするとともに、Low-Eペアガラスという3層の複層構造により、断熱性にも優れ、紫外線を約50%カットします。
また、全客室にセキュリテイレベルの高い高速インターネット回線とビデオ・オン・デマンドによる80タイトルの映画や、11チャンネルの外国語放送を行うテレビシステムを導入します。


計 画: 2005年11月着工、2007年10月竣工予定
総事業費: 約100億円
設計監理: 株式会社日建設計、エヌアールイーハピネス株式会社
内装デザイン: 株式会社スタジオ・エム、株式会社日建スペースデザイン
施工: 大成建設株式会社
構造: SRC + S造(地上17階、地下2階)
建築面積: 8,359.00㎡(延床:84,411.40㎡、施工床:48,145.00㎡)

(プレスリリースより引用)



この壮大なプロジェクトの中の一つが「エグゼクティブハウス“ZEN(禅)”(仮称)」です。

ザ・メインのタワーのうち、11階と12階をこの「エグゼクティブハウス“ZEN(禅)”」専用のフロアとし、客室87室と、専用ラウンジを設置した最高級クオリティーのサービスを提供する計画で、専任のスタッフによるコンシェルジュサービスを超えたバトラーなみのカスタマイズサービス等を提供するそうです。
10月にこのフロアはオープンするそうですが、それに先立ち、案内をしていただきました。
なお、デザインを手がけるのは、京都のデザイン会社 スタジオ・エムの柴田嘉夫さんです。


まずはエレベーターホールから客室までのアプローチ。
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やはり、禅というと水墨画のイメージなのでしょうか。

そして、客室。
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改装の一番のポイントは窓の開口を広げた事。
腰の高さまであった壁を、全面窓とし、足元の庭園の光景も飛び込んでくるようになっています。

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ニューオータニ全体1500室のうち、禅プロジェクトの対象となるのは87室。
写真でご紹介した部屋は、その中で最も広い115㎡の部屋です。
ちなみに、室料は16万円。


ドアの向こうは、廊下のモノトーンの世界から、モノトーンを主体にしつつも金や紫をアクセントとした上品な華やかさを持った世界になります。

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室内には、炭、盆栽などが置かれています。

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どういった部分が「禅」として差別化されているのか。
その捉え方は、私たち僧侶にとってもとても参考になります。

例えば、欧米のインテリア装飾は、原色を基調とした色鮮やかな装飾が基本ですが、そのような中で、モノトーン、シンプル、侘び寂びという、「あっさり」を極めた日本の伝統文化は、新鮮に感じるのでしょう。
その根底には、複雑化する社会の中で、ミニマリズム・ナチュラリズム・ヒューマニズムという、いわゆる精神的な心地よさをそこに見出しているのだと思います。
ただ、日本文化をそのまま取り入れるのではなく、欧米それぞれのもつ文化と融合し、日本の禅とはちがう、「Zenスタイル」「Zenトリートメント」「Zenガーデン」・・・・といった、アメリカ流、ヨーロッパ流のZENという形になって表れています。

このように、海外では ZEN がブームになっておりますけれども、この「禅プロジェクト」は、その捉え方ともまた違ったアプローチです。むしろ、欧米化された日本の現代において、改めて日本文化、禅を見直す流れの中でのアプローチであり、日本人デザイナーがどのように「禅」というものを捕らえているのか、その自由な発想は、日本の禅宗の中で過ごしている私たちにとって、逆に新鮮です。

きっと、東京グランドホテルで「禅」をテーマに部屋をつくると、全く違うものになることでしょう。


さて、話を元にもどしますが、ここでの食事は、10月にできる専用ラウンジで取ることができ、朝食は 洋食 または お粥、スープとなるとのことです。
ちなみに、典座教訓ってご存知ですか?と準備室の方に尋ねたら、ごめんなさい、知りません、勉強中です・・・とのことでした。

ハードの面はだいぶ完成されているようですが、10月にどのようにソフト面の整備がなされていくのか、全面完成が楽しみです。

この禅 プロジェクトは、新聞雑誌などで紹介されることも多く、先日の朝日新聞でも次のような記事が掲載されておりました。


ホテルニューオータニ エグゼクティブハウス“禅”プロジェクト
コンシェルジュ・ ****さん(**歳)
一人一人に合ったもてなし


帰国前夜に「マグロの刺し身を持ち帰りたい」と言い出す国賓の宿泊客。名前と東京23区在住という記憶だけを頼りに、「20年前に日本で働いていたときの同僚に会いたい」という外国人客もいる。
そんな無理難題にもコンシェルジュとして奔走してきた。その姿勢が評価され、ニューオータニの2フロアを改装して今秋オープンするホテル・イン・ホテル「エグゼクティブハウス禅(ZEN)」の準備スタッフに抜擢(ばってき)された。
ホテル業界を志したのは学生時代の体験から。タイを旅行中、タクシーでホテルに帰ったとき小銭がなく、運転手に英語も通じず困っていたら、ドアマンが察して小銭をパッと差し出してくれた。上智大チアリーディング部の夏合宿では「買い食い禁止」がルールで、それを知る旅館のおかみさんが風呂上がりに「サプライズ」でアイスを用意してくれた。
(朝日新聞記事より、記事中名前部分は**としました)

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ペット供養は「収益事業」、課税は適法

ペット供養は「収益事業」、課税は適法…名古屋高裁

 ペットの供養は宗教行為に当たり、謝礼は非課税とするべきだとして、愛知県春日井市の宗教法人「慈妙院」(渡辺円猛住職)が、小牧税務署長を相手に課税処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が7日、名古屋高裁であった。

 野田武明裁判長は「ペットの葬儀、遺骨の処理などの行為は収益事業に該当する」として、課税処分を適法とした1審・名古屋地裁判決を支持し、慈妙院側の訴えを棄却した。

 判決によると、慈妙院は1983年ごろから、犬や猫などのペット供養として、読経や火葬などをした際、動物の重さや火葬方法などに応じ、飼い主から8000円~5万円の「供養料」を受け取った。また、墓地管理費を徴収し、墓石や位牌(いはい)を販売した。

 慈妙院は、「人の供養と同じ宗教活動だ」として、所得を申告していなかったが、税務署側は、営利目的の収益事業に該当するとして、2001年3月期までの5年間で、無申告加算税を含めて約670万円を課税した。


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060307i307.htm




1審・名古屋地裁判決が出たときにもブログで記事を書かせていただきましたが、高裁でも寺院側の訴えが却下されました。

過去の記事 ペット供養は宗教活動?収益事業?
http://kameno.bne.jp/blog/archives/000067.htmlを併せてご参照ください。

寺院側が、ペット供養は「人の供養と同じ宗教行為で、非課税の非収益事業」
とするのに対し、読経は「請負業」、遺骨の管理は「倉庫業」に当たるとしています。

※寺院など、公益法人の行う収益事業とは、次の33の事業(付随して営まれるものを含む)で、継続して事業場を設けて営まれるものをいいます(法人税法第2条、施行令5条1項)、

この判決に前後して、ユニークな寺院を見つけました。
宗教法人ではなく、あえて株式会社として設立した寺院です。
このような考え方もあるのかなとつくづく考えさせられる事例です。

「株式会社」おぼうさんどっとこむ

【以下、「株式会社」おぼうさんどっとこむより引用】

なぜ宗教法人ではないのか?
おぼうさんどっとこむは、宗教法人ではありません。
「株式会社」としての運営です。
その理由には、二つあります。
1. オウム事件以来、新たな宗教法人の認可は、非常に難しい。
2. 国家益を考えた場合、旧態依然のシステムでは、ほんとうにお客さまのためになり難い。
以上の理由から、「株式会社」としての道を選択しました。

公明正大に活動を行った結果、報酬というご利益がまわってくるはずであり、
健全な会社運営を行い、しっかりと税金を支払い、
国家に貢献する法人でありたいと考えての会社設立なのです。


Name kameno : 12:00 PM | comments(0) | trackbacks

寺院の数はコンビニの数よりもずっと多い

<コンビニ>「飽和状態」について3社トップに戦略など聞く


 30年にわたって成長を続けてきたコンビニエンスストアが、05年11月で既存店売上高のマイナスが16カ月連続を記録し、「コンビニ市場は飽和状態」との指摘も出てきた。コンビニの「老舗」で業界トップのセブン―イレブン・ジャパンと、新戦略でセブンを追うローソン、ファミリーマート。現状や戦略を3社のトップに聞いた。
・コンビニ市場は飽和?
 ローソンの新浪剛史社長は「20代、30代の男性をコア(主要な)ターゲットにしてきたコンビニ市場は、飽和していると思う」と語る。これに対し、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長は「飽和しているのはコンビニではなく、消費そのものが変わっている。若い人口が減る中で、単純な成長はありえない」と強調する。
 コンビニは75年に開店したセブン・イレブン豊洲店(東京都江東区)が第1号で、その後参入した店のモデルはセブン・イレブンだった。しかし、上田準二ファミリーマート社長は「以前は、セブンが成功モデルだった」と認めつつも「もはや、セブンのモデルを追いかける時代ではない」と語る。トップ3の05年12月末の店舗数は、セブン1万1069店、ローソン8273店、ファミリー6628店。上田社長は「規模の差は埋まらない。質を高めることに注力する」という。
・新しいモデルは?
 ローソンは、「ナチュラルローソン」や「ストア100」といった従来のコンビニとは異なった店舗を展開し、託児所を併設したコンビニの開店準備も進めている。ファミリーも、オフィスビル内に高級感が高い「ファミマ!」を展開している。この動きを、鈴木会長は「マスコミ受けするだけで邪道だと思う。既存の店をどう強くするかを考えるのが、われわれの仕事だ」と強く批判する。
 上田社長は「100円ショップや、生鮮コンビニの立ち上げも検討したが、既存店強化が先だと判断し、計画をボツにした」と語る。新業態の「ファミマ!」は、オフィスビル内への出店が中心で既存店とは競合しないとの考えだ。
 ローソンは「ローソンが好き、というファンを作ることが重要。これまでと違う考え方で進める」という。「ストア100」などは、現在はすべて直営店舗だが「1、2年後、近隣でローソンを経営している加盟店に引き渡すことで、納得してもらっている」という。
・それぞれの戦略
 鈴木会長は「ひとつのパイを、同じレベル(の企業)で食い合えば、飽和状態になるが、(経営の)レベルが違う。セブンと他店との売り上げ(1日あたり)は十数万違う」と、強い自信をのぞかせる。ローソンは「コンビニはもはや、旧態依然になりつつある。一部から嫌われても、個性のある店をつくる必要がある」と、新しいモデルに積極的だ。
 ファミリーは、全店舗にマルチメディア端末「ファミポート」を置いている。「これから伸びるのは、チケット販売などのサービス。保険とか、介護とかいろんなサービスに対応するためにも(利用者が自分で操作するため、店員の負担を軽減できる)マルチメディア端末が必要だ」と語る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060113-00000166-mai-bus_all


【参考資料】

産業界の動き~多様化するコンビニエンスストア-住友信託銀行 調査月報 2005 年9 月号
http://www.sumitomotrust.co.jp/RES/research/PDF2/653_3.pdf

拡大するFC(フランチャイズチェーン)の動向について-株式会社東京商工リサーチ
http://www.tsr-net.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2005/03/18/dbhl_fc.pdf


【参考:フランチャイズの定義】
 (社)日本フランチャイズチェーン協会の定義では、「フランチャイズとは、事業者(「フランチャイザー」と呼ぶ)が他の事業者(「フランチャイジー」と呼ぶ)との間に契約を結び、自己の商標、サービスマーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる標識、および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーはその見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係をいう。」とされています。
従ってフランチャイザーが開発したフランチャイズシステムやノウハウと、それを象徴する商標などの事業を運営する方法を提供するのに対して、フランチャイジーは、自己資金を投入して、本部の開発した商売の方法、ノウハウを使用して営業を行い、お互いに利益を得ようとする「事業共同体」と言えます。


日本に初めてのコンビニエンス・ストアが1960年代後半に誕生してから30年余りが経過し、コンビニエンス・ストアは若者から高齢者まで幅広い年齢層の生活に定着しています。
その総店舗数は(社)日本フランチャイズチェーン協会の資料によると、実に4万店舗を数えるに至っています。
街中いたるところにコンビにエンスストアの看板が目に付く訳ですね。

ところが、日本の寺院数は、これをはるかに上回っています。
文化庁・宗教年鑑によると実に7万7千を超える寺院があるのです。
http://kameno.bne.jp/blog/archives/000076.html

■全国の仏教寺院数 約7万7千か寺
■僧侶の数       約30万人
■信者数        約6000万人


けれども、寺院がコンビニエンスストアよりも存在感がないというのはどういう訳でしょうか。
日常の生活の中で、コンビニエンスストアに立ち寄る機会は数多くあります。最近は銀行や郵便、各種決裁の窓口から生鮮食料まで、ありとあらゆることがコンビニエンスストアに集約されていて、生活のなかで必須のものとなっています。

対して、寺院はというと日常の市民生活にどれだけ係わることができているでしょうか。

一昔前は、寺院が集落の核として、役所・学校・集会場の役割も果たしていました。
その役割も時代と共に変遷してきています。
寺院と檀家という、いわゆる檀家制度も急速に変化の兆しが見られます。

寺院をコンビニエンスストアと同列に扱って、信仰の問題も含めて、経済学で言うところの財・サービスとして論じることは不適切かもしれません。
例えば、誰かがある宗派を信仰していたとしても、それにより他の人がその宗派を信仰できなくなるわけではなく、むしろ、信仰する人が増えれば増えるほど、その宗派の価値は高まり、信者は増加していくでしょう。

信仰は習俗と結びついて習慣となります。
それは家庭や地域コミュニティーを通じて、周囲、子孫へと伝播していきます。(⇒情報子としてのミームの伝播)

ここまでが、今までの寺院を取り巻く環境でした。

しかし、仏教信仰が単なる受動的な(能動的でない)習慣になってしまうことにより、習慣は時代の急速な変化から取り残されていくことになります。

・葬儀に僧侶を呼ぶことが当たり前だと思っていたけど、それは本当に必要なことなのだろうか?
・戒名をつけることは当然だと思っていたけど、それって必要ものなの?
などなど。

コンビニエンスストアをはじめ、各企業は、常に世の中の動向をリサーチして、そのニーズの変化に対応していこうとしています。
それに対応できなければ、それは倒産の危機をもたらします。

さて、憲法で保障されている信教の自由は、寺院に与えられているものではなく、国民に与えられているものです。
家の宗教から個の宗教に変化しつつあるとすれば、寺院側が絶えず信者一人一人のニーズを汲み上げ、それに対応できるよう工夫する必要があり、葬儀・戒名の疑問にも真摯に情報を提供していく必要があると思うのです。
「家」のミームの伝播機能が希薄化しているのであれば、それを寺院・僧侶が補っていかなければならないでしょう。

このような努力は、一般企業法人でも、利益を追求しないとされる公益法人でも、関係なく必要なことでもあります。
また、冒頭にある、フランチャイズの定義を、そのまま例えば「曹洞宗」と「寺院」の関係に当てはめるのは、やはり適切ではないと批判されるかもしれませんが、曹洞宗ブランドを掲げる曹洞宗寺院が、どのように今後展開していくのかということを考えるに、とても参考になります。

(公益法人の税制改革についても、このブログで論じて行きたいと思います)

ブログのテーマに経済のカテゴリーを設置してあります。

寺院を経済の側面からみることにより、現在の寺院が抱える問題点が浮き彫りになってきます。
前向きな意味での問題解決が可能です。

寺院にとってマイナス面が取りざたされている昨今ですが、逆に、新たな可能性を秘めた時代であるともいえるのではないでしょうか。

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日本橋に空は戻るか?

日本橋の空を取り戻せ

真上に首都高が通る日本橋首都高移設、来夏までに計画案
 国土交通省は28日、東京・日本橋の上を走る首都高速道路の移設について、来年夏までに計画案をまとめる方針を決めた。

 国交省や東京都、学識経験者などで構成する「日本橋 みちと景観を考える懇談会」(座長=中村英夫・武蔵工大学長)に、国交省の都市・地域整備局や住宅局、河川局関係者などを新たにメンバーとして加え、街づくりの観点を踏まえ、道路移設の工法や費用負担の割合などを協議する。

 日本橋の上を走る首都高の移設については、小泉首相が有識者らに対し、来年9月までに移設の検討と報告書の提出を求め、「日本橋という昔からの名所の上に高速道路が走っており、景観が良くない。夢を持って日本橋の上を空に向かって広げ、川のたもとで散歩をできるように」と述べていた。

 首都高速道路は、1964年の東京五輪に間に合わせるため突貫工事で作られた。土地買収の手間を省くため、公有地である川の上がルートに選ばれた。
http://www.yomiuri.co.jp/tabi/news/20051231tb04.htm




日本橋の上にかぶさる首都高速、高度経済成長時の象徴ともいえる高架橋によって橋の上から空を見上げることはできません。
これを何とか取り除くことはできないかという論議は、これまで何度かなされてきましたが、小泉首相の一言で、にわかに現実化してきました。

【関連リンク】

日本橋の上に空を 沸く地元「実現へ努力」
http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000512280001
小泉首相 「日本橋に青空を」一声発動 コイズミ記念碑?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060106-00000023-maip-soci
日本橋地域のまちづくり
http://www.ktr.mlit.go.jp/toukoku/michikeikan/
美しい景観を創る会・悪い景観100景(このNo.16とNo.23が日本橋)
http://www.utsukushii-keikan.net/10_worst100/worst.html


日本橋は、東京都中央区の日本橋川にかかる橋です。
まずは、地図でその位置を確認してみてください。
http://www.mapion.co.jp/c/f?uc=1&grp=MapionBB&nl=35/40/50.876&el=139/46/39.675&scl=10000&bid=Mlink

首都高速のこのあたりのルートは、見事に川の上(あるいは川そのものの水を抜いて)計画されたことがよく分かりますね。

さらに日本橋近辺の様子を立体的に表した図がありますのでご紹介します。
http://www.hido.or.jp/nihonbashi/jsp/chika/05.html

日本橋は、江戸時代から文化・商業の中心地であり、さらに五街道全ての起点でもありました。

現在でも、日本橋の中央には日本国道路元標が設置されており、(1)国道1号(終点:大阪府大阪市北区梅田新道) 、(2)国道4号(終点:青森県青森市)、(3)国道6号(終点:宮城県仙台市宮城野区)、(4)国道14号(終点:千葉県千葉市中央区) 、(5)国道15号(終点:神奈川県横浜市神奈川区)、(6)国道17号(終点:新潟県新潟市) 、(7)国道20号(終点:長野県塩尻市) の7路線の起点となっています。

箱根駅伝においても、1999年から箱根駅伝の最後の見せ場として、10区のコースを日本橋経由へ変更しています。
ekiden2005.jpg
これは、昨年、駒澤が4連覇した時に撮影したものですが、正面に見えるのが日本橋川にかかる常盤橋。常盤橋の先を右に折れて直ぐのところが日本橋です。


そのような重要な場所ですから、小泉首相は特にこだわりがあったのでしょう。
歌舞伎など日本の伝統文化や歴史と共に、文化都市・東京のシンボルとして「日本橋に空を!」ということで昨年末、首相の私的な有識者懇談会が発足し、動き出したというのが冒頭の記事です。

しかしながら、一体どのようにして日本橋上空の首都高速を取り除くのでしょうか。
ただ取り除くだけでは、首都高速の機能が根本的に失われてしまいます。
従って、何らかの代替ルートを考えなければなりません。
第1次小泉内閣の時に、東京都心における首都高速道路のあり方委員会が4案を提示していますので、それを見てみましょう。
http://www.mlit.go.jp/road/yuryo/arikata/teigen/teigen.pdf


【第1案】浅い地下案

nihon-1.gif
まあ、これが一番現実的な方法でしょうか。
障害となる地下鉄は銀座線と半蔵門線。
特に、銀座線は日本で最も古い地下鉄の一つですから、浅いところを通っています。
ですから、日本橋川の銀座線の下を通すことは、比較的(あくまでも比較的です)簡単だと思われます。
新たに敷設する路線延長も短くて済みます。


【第2案】別線地下案

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これは、かなり大掛かりですね。
そもそも、日本橋川のルートを大きく変えて、靖国通りか外堀通りの地下を通す計画ですが、これは費用的にも、周囲への影響度からも、かなり困難な計画ではないかと思います。


【第3案】一体整備地下案

nihon-3.gif
これは面白い計画ですね。
日本橋川の北側に再開発ビルと一体化した路線計画とするものです。
ビルの基礎部分地下に路線を配置しますので、ビルの耐用年数が来て、建て替えるときも比較的簡単にできそう。


【第4案】一体整備高架案

nihon-4.gif
この案は夢があります。
首都高速は高い位置を通っていますから、既存路線との取り付け区間の工事もスムーズに行えます。
ただし、ネックは万が一事故が発生した時の、防災対策と、ビルが老朽化した際の建て替えをどうするかですね。


それぞれ一長一短があり、また、これ以外の方法もあるかもしれません。
事業そのものをやらないというのも、もちろん選択肢の一つです。

総工費は案にもよりますが、3000億~6500億円とも見積もられています。
日本橋に空を取り戻すことの意義は大きいですが、それにかかる費用も膨大になりますから、よくよく検討して、国民の理解が得られから事業に取り掛かって欲しいものです。

Name kameno : 12:16 AM | comments(0) | trackbacks

20:80の法則

パレートの法則とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が発見した法則ですが、20:80の法則といった方が親しみやすいかもしれません。

簡単にいうと、「全体の8割の事象は、全体を構成する2割の要素が生み出している」という法則です。

例を挙げると

20051224.jpg
■売り上げの8割は全顧客の2割によるものである。
■売上げの8割は、2割の商品の売上げである。
■仕事の8割は、全社員の内の2割がこなしている。
■不具合の8割は、2割の不具合項目に原因がある。
■蓄積された資料の約8割は不要である。
■所得税の8割は2割の人が払っている。
■宗費の8割は、2割の寺院が負担している。(時事ネタ:右グラフ参照)


といったものです。




この法則はいろいろなところで活用されています。
例えば、製品の品質管理における、改善項目を10項目あげた場合、そのうち上位2項目を改善することによって、全体の8割を改良したことと同様の効果が期待できるという、実に有用な法則なのです。

このことを逆に利用すると、実に興味深い事実が見えてきます。

例えば、顧客満足度調査をしたとします。
その中で、一番不平不満を訴えるのは、2割の主要顧客ではなく、それ以外の(あまり重要ではない)顧客である場合が多いということです。
つまり、2割の主要顧客は満足しているから、御得意さんであるわけで、この主要顧客の特性を理解し、そのような顧客層を広げていくことができれば、それだけ効率的に利益を拡大させることができる訳です。


今の世の中は、完璧を求める風潮にあります。

私は十数年前に、都庁の下水道局・計画部に所属していたことがありますが、いよいよ区部下水道普及率96%というところにあって、残りの4%がどれだけ困難であったか、身にしみて感じました。
現在は公称100%となっていますが、実際は1%未満のところでどうしても達成できていないところがあるはずです。

このように、8割程度までの効率までは簡単に達成できるでしょうが、そこから進んで、完璧まで残り数パーセントというところは、実に困難であることが分かります。
全てのことに対して、完璧をめざすのではなく、2割程度の余裕をもって、余裕があることを前提にゆったり過ごすことが、どれだけ生活に豊かさをもたらしてくれるのか計り知れません。

また、パレートの法則は、宗門の財政部門にあっては、宗費をどのようにしたら、より公平(この定義も難しいですね)に集めることができ、どのようにしたら、より公平に分配することができるのか、その答えを導き出す一つのヒントになることでしょう。





【関連トピックス】
http://kameno.bne.jp/blog/archives/000271.html

※グラフは『曹洞宗宗勢総合調査報告書』(1995年)
 曹洞宗宗務庁発行 P176 より引用

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働き蟻と怠け蟻

黙々と働くと思われていた働きアリの約2割が、実はほとんど働いていないことを、北海道大大学院農学研究科の長谷川英祐助手(進化生物学)らが確認した。

長谷川助手らは、林の土中などに生息するカドフシアリ約30匹ずつの3つのコロニー(血縁集団)を、石こうでつくった人工の巣に移し、1匹ずつマーカーで印を付けて観察。
1日3時間、昨年5月からの5カ月間で、行動類型を分類した。

すると「女王アリや卵などをなめてきれいにする」「巣の掃除をする」「エサ取りをする」などの労働行為をするアリは各コロニーの約8割で、「停止している」「自分の体をなめている」「何もせず移動している」だけで、ずっと働かないアリが約2割いた。
このうち1つのコロニーで、最もよく働く6匹を取り除いてみたところ、次によく働くアリの労働量が増えたが、働かないアリは何があっても働かなかった。

働かないアリは、年を取って働けないか、そもそも寄生するだけの存在とも考えられるが、長谷川助手は「働かないことでコロニーに何らかの貢献をしている可能性もある。 集団で行動する生物にとってどんな個性が必要なのか、興味がある」と話している。

『東奥日報』2003年10月28日の記事

論文概要PDF




今、一つのプロジェクトに取り組んでいます。
約1万5000もある膨大な資料を精査して、データベース化すること。
これを一定の期間のうちに、約10人の仲間で成し遂げるというものです。

私は、その指揮のような役を担わせて頂いているのですが、このプロジェクト、コンピュータ入力を伴なったり様々な証書を解読したりといった複雑な作業でもあるため、なかなか大変なんですね。
それでも、皆さん、それぞれ真剣に取り組んでいただけることがとても有り難いです。

何人もいると、傍目には、進捗が遅かったり、無駄話ばかりしているように見える仲間もいるんですね。
しかし、それはそれで、貴重な人材であることにはかわりありません。

仮に、効率が悪いだろうということで、人を切って、進捗の優秀な人ばかり残したとします。
けれども、それでは、ギスギスした心地悪い、息苦しい雰囲気に包まれてしまい、全体の結果としては必ずしも最大の効率を生み出さないということなのかも知れません。
全員が一心不乱にバリバリ働いている、そんな職場、絶対に嫌です。

癒しをもたらす役割を果たす(怠け者のように見える)人がいてこそ、職場は効率良く回るのでしょうね。
また、いつもは我武者羅に頑張っている人も、たまには癒し系の役割を果たしてみることも必要なのではないでしょうか。

プロジェクトのゴールまであと数ヶ月。
一歩一歩、着実に進めていきましょう。


追記:このプロジェクトは無事終了しました。
御手伝いいただいた皆様、本当にお疲れ様でした!
宗務庁退任のご挨拶とお礼

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平成電電民事再生法適用&個人情報垂流し

民事再生法適用を申請=負債1200億円、値下げ競争激化で-平成電電

 格安通信サービスの平成電電(東京)は3日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理されたと発表した。固定電話市場での値下げ競争激化が響き、資金繰りが悪化、自主再建を断念した。顧客への通信サービスは継続する。負債総額は9月末で1200億円に上る。佐藤賢治社長が同日午後に記者会見し、正式発表する。
 同社は、加入者と最寄りの電話局までの回線をNTTから借りて通信料金を大幅に引き下げる「直収電話」サービスに、業界で初めて参入した。しかしその後、日本テレコムやKDDIも追随し、顧客の獲得が伸び悩んでいた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051003-00000037-jij-bus_all


ここ数年、通信料金競争が激しくなり、そのお陰で固定電話、携帯電話、インターネットなど、さまざまな料金の恩恵を受けさせていただきました。 しかし、そんな中、今回の平成電電のように、その過当競争のあおりで巨大な負債を抱えたまま民事再生法適用となる会社が出てしまいました。 

TVのCMや新聞一面広告などを派手に連発したしていましたが、最近では予定現金分配率年10%相当という無茶苦茶な高配当の投資組合 「平成電電システム21号匿名組合」を作ったり・・・
http://www.hdd-s.com/index.html


単なる一通信企業の行き詰まりということだけではなく、これからますます問題が波及していきそうです。
今日はその序章に過ぎないのかもしれません。

特に、平成電電システム21号匿名組合に対しては、投資者19,000人、総額490億円という資金が集まったとの速報もあります。

平成電電破たん 出資金総額は490億円、返還困難に

やはり、この低金利時代が背景なのでしょうか、配率年10%相当に魅了されてしまった被害者がこんなにも多いことに驚かされます。
世の中、そんなに美味い話が転がっている訳が無いですよ、ということなんでしょうね。


さらに、別の大きな問題も発覚し始めています。
それは、九州にあるエステの顧客情報かアンケートで得られた個人情報が平成電電サイトのトップディレクトリーに置かれていたという問題です。
住所、電話番号や生年月日を含む約7,000件の個人情報がたやすく誰でも見える場所におかれており、それが流出して一部で騒がれはじめているのです。


平成電電のサイトをおいている同一サーバー内にエステサイトのデータ領域があり、サーバー管理者あるいはサイト作成担当者の不注意な管理によって、個人情報が垂流しの状態になったものと推測されます。

こちらのニュースも、そのうちに表沙汰になって大騒ぎになることでしょう。
本人の知らない間に、個人情報を晒されてしまうという、情報化社会の悪い面を見せ付けられた典型的な一例です。


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寺院運営と現代社会

「ワールドビジネスサテライト」
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/ 
テレビ東京・9日深夜11時~

特集「寺院運営と現代社会」
カフェ、介護施設…お寺の経済学
葬式の簡略化や法事の減少、檀家制度の崩壊…。寺離れが進む中、お布施に頼らない収益基盤を作ろうと動き始めた寺がある。目指すは地域のニーズに応える事業。イギリス伝統の酒、スコッチウイスキーが巻き起こす新旋風も。


■浄土真宗本願寺派 光明寺(東京都港区)
オープンテラスで境内を開放している寺院
http://www.komyoji.org/welcome.html

■浄土真宗本願寺派 善了寺(横浜市戸塚区)
庫裏を利用してデイサービスを始めた寺院
http://www.zenryouji.jp/

■曹洞宗 長福寺(藤沢市)
寺院が中心となって地域コミュニティを再生させていくため、
檀家組織という枠組みをこえた地域活動を進めている寺院


本日、上記の、個性的な活動をされている寺院の特集が放送されます。 (8日放送予定でしたが、衆議院解散によって、9日の放送になりました)

このうち、光明寺さんは、SOTO禅インターナショナルの会議場所としてよく利用させていただいております。
さらに、長福寺さんは、教区寺院であります。
よく知っている御寺院さんが紹介されますので是非ご覧ください。

20050808.jpg
昨年秋の寺コンサート@長福寺
こども祭太鼓とアクワバ(ガーナ出身のバンド)とのセッションの写真です。
私も子どもたちと楽しませていただきました。

Name kameno : 09:46 PM | comments(0) | trackbacks

広告収入に頼らないメディアは存在しうるか

■はじめに

 既存のメディアの収入を見てみると、例えば新聞社は、購読収入と広告収入の2つが重要な収入の柱である。このほかに、刊行物の発行などの付帯事業によって賄うというのがモデルである。
 このうち、広告収入により印刷費と人件費、事務所経費をカバーできるのが理想的であると言われている。このようなモデルでは、広告収入を無視しては成り立たないことになる。
 ところが、購読者が限られた小さなミニコミ紙や業界紙の場合は、購読料収入は読者層が少ないため、広告収入無くして経営していくのは至難の技である。実際にミニコミ紙のほとんどは、購読料収入よりも広告収入の割合が大幅に超過している。
 購読料収入の割合がどれだけ少ないかということが、そのミニコミ紙がどれだけ評価の高い媒体といえるかという指標になりうる所以である。


■ウェブメディアでの可能性を探る

 さて、それではインターネットや電子メールなどによるニュース配信ではどうだったであろうか。1995年のウェブ系メディアでは、完全な広告収入モデルがほとんどであったと言える。しかし、1996年ごろから脱広告の動きがあり、WSJやESPNスポーツゾーンのように、広告収入+購読料型のメディアが出現した。しかし、あくまでも広告収入を重要な収入の柱と位置付けており、購読料だけで運営するということは目標には掲げていなかった。
 その後の動向として、物品販売収入モデルというものも出現し、サンノゼマーキュリー+バーンズ・アンド・ノーブルのキックバックシステムや、また記事の内容を有料でビデオ配信したり、ESPNスポーツゾーンでも関連商品の販売を行っている。従って、広告収入・購読料収入・販売収入がどの程度の割合になるかという問題になる。


■広告の無いサイバーメディアとは

 それでは、完全に広告収入が無いメディアというのは成立するのであろうか。特定の組織が影響を与えるなら、広告収入無くしても成り立つかもしれない。しかし、そうではなく、一般的なサイバーメディアとしてそのようなメディアが成り立つかということを考えてみる。
 まず、第一の可能性としては、サイバーメディアの発達によって、情報が氾濫し、情報自体の単価が下落していること、その他方で情報のライフサイクルが伸びていることによるものである。前者は、購読料収入にマイナス要因として働くが、後者は、データベースへの記事蓄積と全文記事検索により記事が将来的にも価値を持ちつづける可能性を示唆している。サイバーメディアではこのようなデータベース型のアーカイブの整備が容易なため、検索エンジンの構築如何によって記事を効率的に検索し、提供することが可能になろう。
そうなると時代を重ねるにつれて、情報のライフサイクルは伸び、データベースとしての価値が付加されていく。
 このような蓄積された価値から、どのように利益回収を行うかということを確立するかということが、広告収入から脱却していく第一の可能性であると考えられる。
 第二の可能性は、「良いコンテンツは儲かる」というモデルである。企業努力によるボランティア型の無料情報配信というモデルから、さらに一歩進めて、その企業だけが持ちうる独自の情報(購読者が購読料を支払ってもその情報を得たいという質の高い情報)を提供するということである。
 第三は、供給するサービスを無料の部分と有料の部分とに階層化するということによる購読料収入の期待である。同じコンテンツを提供するとしても、単にテキストベースでアウトラインのみを提供するのと、詳細記事や映像の付加などの差別化を図ることにより付加価値を付ければ、料金を賦課することが可能であろう。
 インターネットの情報=無料というモデルが暗黙の内に成立しているが、それは前段で述べたように情報の氾濫による情報単価の下落というよりは、どのような情報がそこで提供されているのかということが見えないからであり、質の高い情報が提供されているということが理解されれば、購読料を払っても良いと考える読者は多いのではないだろうか。
 当然、購読料を払っても欲しいと思える情報を提供できるということが前提条件ではある。


■まとめ

 メディアが広告収入に頼ることは、少なからずメディアとしての自由さを失うということでもあり、裏返して言えば、広告の無いメディアというのが「ジャーナリズム」本来の、情報を売るという在り方であると思う。サイバーメディアは印刷メディアに比べて配信費用を格段に安く抑えることが出来る。また、フットワークの軽いメディアであるとも言える。そのような特徴を生かし、「本音」の情報を積極的に配信し、そこにエンパシィを感じる人たちを集めて行けば良いのではないだろうか。
 サイバーメディアは既存のマスメディアとは異なった性質を持つメディアである。その点でマスメディアとは棲み分けが十分に可能であり、新しい領域のメディアとして存在していくことができると考えられる。 そしてサーバーメディアに求められる本来の姿というのが、インディペンデンスドであることであり、それを果たすためには、広告収入によらず、購読料収入のみで成立することがもっとも必要なことなのではないだろうか。
 結論として、広告の無いサイバーメディアは可能であると考える。これは、広告収入があってはいけないということではなく、広告収入を前提とした在り方ではいけないということであり、それがサイバーメディアの理想的な姿であろう。

Name kameno : 09:21 AM | comments(2) | trackbacks

賦課金 大幅見直しへ 

浄土真宗本願寺派 算定基準「不公平」と声

 浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市下京区)は、本山への「税金」にあたる賦課金の制度を1970年の導入以来初めて大幅に見直す。末寺への割当額を決める際の算定基準に対し「現状を反映してなく、不公平」との不満が相次いでいたためで、26日の臨時宗会で関連する宗則(宗派の法律)を可決した。

 賦課金は同宗派の年間収入の約13%を占め、本年度の予算額は約10億8200万円。所属する僧侶の階級や人数、自主申告の門信徒戸数に基づく「護持口数」、寺院を8段階に格付けした「寺班」などを基準に、各教区や末寺への割当額を決めていた。ところが、江戸時代に寺院の由緒や規模を基に定められたといわれる「寺班」は、以前から宗派内で「実情からかけ離れている」「格付けは民主的でない」との批判が強く、今回の制度改革では算定の根拠から外し、実質的に廃止する方向となった。

 また、護持口数も35年前の基準にのっとって定めていたため、新制度では寺院収入や所在する都道府県の県民所得など客観的な指標を用いるように改正した。ただ、奈良教区など負担額が従来より2倍以上に膨らむ地域もあり、「新たな不公平感を生む」との反発が出たため、護持口数の新制度導入は来年度以降に持ち越した。

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005052700021&genre=J1&area=K1F



曹洞宗においては、平成11年2月15日に開催された級階査定委員会に於いて本級階査定委員会専門部会を組織することが承認され、同年6月8日に発足し、以来、抜本的な宗費負担の論議が約6年に亘り重ねられてきました。

若輩ながら、私もその専門部会委員に加えていただき、しかも自由な意見を発言させていただく機会を持ったことはとても貴重な体験でありました。
保守的と思われがちな伝統宗教行政の中でも、曹洞宗は先進的なシステムが構築され、若い世代の意見も通りやすい雰囲気にあるということはとても有難いことであります。
また、逆にそれだけ、重責を戴いたわけですので、自分なりにできる限りの調査研究をさせていただきました。

曹洞宗の宗費負担は、これまでも、他の宗派に比べて飛びぬけて綿密に出来ています(と自負しています)。

今回は、それをさらに改良し、各方面からの要望に応えるためにより公平感をもたせるべく、様々な係数を試行錯誤しながら作成したつもりです。

級階査定委員会、専門部会委員、宗務庁各役職員の皆さんで一丸になって練り上げてきた、その一応の成果が、先の第95回通常宗議会で審議可決された財務規程(宗報5月号参照)であり、各御寺院様へ届いているであろう寺院財産申告書となっているのです。

20050527.jpg
(というわけで、今は平日はほぼ毎日宗務庁へ出勤しています)

もちろん、今回の財務規程が最終結論というわけではなく、時代に即した抜本的な宗費賦課基準というものを常に研究していく必要があると思います。
御寺院様におかれましては、10年に一度の寺院財産申告、どうぞご協力を伏してお願いいたします。

追伸:業務についての詳細はブログに記載することはできませんので、寺院財産申告、級階査定についての質問事項は所定の方法によりお願いいたします。

Name kameno : 12:02 PM | comments(2) | trackbacks

ペイオフ覚え書き

あと数日、4月からペイオフの全面解禁となります。

寺院は非営利法人だから関係ないと思われがちですが、例えば諸堂の建設積立金とか、修繕積立金とか、護持会費とか・・・・・そのほか諸々の法人運営資金について、いざペイオフとなった場合に、対策を何も講じていなかったとすれば代表役員の責任が問われるかもしれません。


ペイオフ全面解禁後は、金利のつく預金はすべてペイオフ対象なるため、普通預金でさえも1000万円と利息分しか保護されないことになります。

【覚え書き】

■恒久措置として全額保護される預金等
 決済用預金。
 決済用預金は、「無利息、要求払い、決済サービスを提供できること」という3要件を満たすもの。
 ・当座預金
 ・利息のつかない普通預金など


■預金保護の対象となっている預金等
 1金融機関1人当たり、合算して元本1,000万円までと、その利息等(定期積金の給付補てん金、金銭信託における収益の分配等を含みます。)が保護される
 ・当座預金
 ・定期預金
 ・貯蓄預金 ・普通預金
 ・通知預金
 ・定期積金 ・別段預金
 ・納税準備預金
 ・掛金
 ・元本補てん契約のある金銭信託(ビッグ等の貸付信託を含む)
 ・金融債(ワイド等の保護預り専用商品に限る)
 ・上記を用いた積立・財形貯蓄商品


■預金保護の対象となっていない預金等
 保護されない預金等であっても破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われる可能性はある
 ・外貨預金 ・他人、架空名義預金 ・譲渡性預金
 ・オフショア預金 ・日本銀行からの預金(国庫金を除く)
 ・金融機関からの預金(確定拠出年金の積立金の運用部分を除く)
 ・預金保険機構からの預金 ・無記名預金 ・導入預金
 ・元本補てん契約のない金銭信託(ヒット等)
 ・金融債(保護預り専用商品以外のもの)

参考 預金保険制度・ペイオフ」・・・金融広報中央委員会


しかし、心に留めておかなければならないのは、実際に金融機関が破綻して、ペイオフとなった場合に、その保護された1000万円はすぐには下ろすことが出来ないだろうということです。
普通預金には、仮払金制度がありますが、破綻後一週間以内に60万円までとされており、さらに、定期預金には仮払金制度は適用されません。

したがって、法人の運営資金を工面するためには、相等の対策をとらないと、資金繰りに支障をきたすことになりそうです。

主なペイオフ対策は

■預金をいくつもの金融機関に分散する
手間はかかりますが、安全のためには致し方ないでしょう。
しかも、破綻の後に仮払がどの程度スムースに行われるかは疑問なので、ムーディーズなどの格付け機関による格付けの高い金融機関を調べておくことが必要でしょう。


■金利のつかない決済用預金に預ける
金利のつく預金はペイオフの対象になりますが、決済用預金のような金利無しの預金は全額保護の対象になります。
今のところは超低金利状態が続いていますので、決済用預金のメリットは大きいでしょう。


■郵便貯金を限度額まで利用する
郵便貯金は国が保証するため、安全性が特に高い。
しかし、一名義に対して元本1000万円の限度があるため、これを最大限に活動したほうがいいでしょう。
また、郵便振替口座は限度額は無いものの、決済用預金と同様、金利がつかない。


■国債や高格付けの公社債等に振り分ける
安全性はある程度高いことと果実を生み出す。

■運転資金は、何らかの形で手元においておく
当面の運転資金は、いつでも引き出せる形の資金として持っておく

とりあえず、こんなところでしょうか。

蛇足ですが、今日、宗務庁でペイオフに関してのテレビ局(TBSニュース23)からの取材撮影がありました。近日、宗務庁の様子が放映されるかもしれません。

20050330.jpg
↑敢えてPHSのカメラでの写真です。雰囲気だけ・・・・

Name kameno : 01:09 AM | comments(3) | trackbacks

坊主は丸儲けかなぁ

新聞の投稿欄に、気になる投稿があったのでご紹介します。
先日のトピックスとも関連する部分があるかもしれません。

20050325.jpg

お布施は「志」良心に従って

僧侶 (新潟県柏崎市)
お彼岸参りに檀家さんを読経して回っている。2千円から5千円のお布施で寺のかき入れどきになっているのだが、3分ほどお経を読んでそれだけ頂くのだから、坊主は3日やったらやめられないと言われるのかもしれない。
千円しか包まれていないこともあるが、聖人でもない生臭坊主にはもった小ない金額である。
お布施は志だから本来、定価表はないが、私の山寺では戒名の末尾が「信士」「信女」の仏様の葬式では15万円頂く。信士料と本尊料、読経料が各5万円だ。
それより格が高い「居士」「大姉」ではその倍額。もう何十年来、ご理解を得ている。さらにその上の「院号」はめったにないが、その場合は50万円になる。
若いときはお布施をもらうのが恥ずかしくて目をそらして受け取ったものだ。
中年になってからは心の臓に毛が生え、しっかりと、またありがたく頂戴する。僧侶は正しい信仰をもって檀家さんに布教する義務があるからでもある。
以前、テレビで東京など大都市での葬式代に触れていたが、われわれの地方の倍以上の値段を伝えていた。
暴利とは言わないが、仏道にのっとって良心に恥じるところがないのか、と要らぬ気を回すこともある。


う~ん、きっと本人は率直な意見を投稿しているのだろうし、悪気は無いんでしょうが、何だか悲しいですね。
先日は、宗教法人の課税問題について、「宗教活動の核心の部分だけは課税対象にしないべきだ」ということを書きましたが、こういう考えの僧侶が大多数であるならば、宗教法人の課税もやむなしという感じがします。

投稿内容の問題点を順次挙げて生きます。
(1)お彼岸参りのお布施で寺のかき入れどきになっている

檀家さんから戴いた浄財を、単なる収入源としか見ていないのでしょうか。

(2)3分ほどお経を読んでそれだけ頂くのだから、坊主は3日やったらやめられないと言われるのかもしれない。

その浄財をあたかも僧侶個人の収入にまるまる受け取る印象も与えます。まさに、読経の対価としての料金というイメージでしょう。

(3)戒名の末尾が「信士」「信女」の仏様の葬式では15万円頂く。信士料と本尊料、読経料が各5万円だ。格が高い「居士」「大姉」ではその倍額。

まさに定価づけなのですが、このようなことを大っぴらにしていいのでしょうか。

(4)中年になってからは心の臓に毛が生え、しっかりと、またありがたく頂戴する。僧侶は正しい信仰をもって檀家さんに布教する義務があるからでもある。
これも(2)と同様です。

(5)テレビで東京など大都市での葬式代に触れていたが、われわれの地方の倍以上の値段を伝えていた。暴利とは言わないが、仏道にのっとって良心に恥じるところがないのか、と要らぬ気を回すこともある。

いやぁ、この最後の部分が一番ひどいですね。
まず、第一点に「暴利」という表現。
多くの都市部の寺院が、暴利を貪っているような表現、これはどうかと思います。
布施というのは、檀家さんが納得しただけのものを金銭という財施として、「お寺に」寄進するものです。
つまり、檀家さんからいただく布施の金額についてどうのこうの言うべきことではないということです。 

そして、戴いたお布施は、僧侶の懐に入るのではなく、法人会計に入り、寺院のさまざまな経費に使われ、そのほとんどが檀家さんや公益のために使われるということ。残りの一部を給与として僧侶が戴いているわけです(もちろん源泉徴収されます)

国語辞書を紐解くと、必ず次のように記載してあります。

ぼうず ばう― 1 【坊主】 ――丸儲(まるもう)け
坊主は資本も経費もいらず、収入がそのまま全部儲けになる。

大辞林 第二版 (三省堂)


「坊主丸儲け」のような誤解をなくすようにアピールしていかなければならないのに・・・・


ただし、確かに僧侶の中には、不心得なものもいることも確かです。
その代表が、一部の葬儀社が雇っていると契約しているアルバイト的な僧侶。
寺院を構えずにいる「マンション坊主」ともいうべきものです。
葬儀社から葬儀の依頼を受け、その布施のうち半分近くを葬儀社にキックバックし、残りを個人収入としてしまう。
このような現状を容認してしきてしまった社会風潮も残念なことです。

どちらにせよ、柏崎の僧侶の方の投稿は、投げかける対象を誤っていると思えてなりません。

公取委 葬儀トラブル防止へ 取引実態初の調査 指針策定を視野

公正取引委員会は、葬儀業の取引実態調査に乗り出した。 高齢化社会の到来で葬儀市場の規模が拡大するなか、業者間の競争も激しくなっている。 親族を亡くした直後の短時間で結ぶ高額契約だけに、 公取委は価格やサービスの表示方法に関する指針策定も視野にトラブル防止を図る。
日本消費者協会が平成15年に行ったアンケートによると、 葬儀一式費用の全国平均は150万円。
ただ、これ以外にも通夜からの飲食接待費用が38万円。 お経や戒名などの寺院費用が48万円かかっていた。
車に並ぶ大きな支出となるが、葬儀費用をどれくらいにするかは「親族の意見」(25.4%)、 「社会的地位」(22.7%)、「葬儀社の助言」(22.7%)と、よく吟味して決めているとはいえないのが実情。
『産経新聞』 2005-2-8

 

ようやく、不透明といわれていた葬儀業界にもメスがはいってきました。

「坊主丸儲け」に対する辞書の表現が自然に改まるように世間に認知してもらわなければならないし、寺院側も会計に関してもっともっと透明性を図っていかなければならない。
何故、宗教法人の宗教活動の部分が非課税とされるのかを寺院側はそれをしっかり受け止めていかなければならない。
そして、私たちも、今よりももっともっと僧侶としての資質を高めていかないと、世間から取り残される存在になってしまうでしょう。


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同じ日の同じ欄に掲載されていた女子高生の投稿のほうが、よほどしっかりした考えを持った投稿だと思いますので併せて紹介します。


宗教の授業で自分見つめる
高校生 (愛知県日進市 17歳)
 私が通っている女子高はカトリック系で、週に一度宗教の授業がある。その授業ではもちろん、神の存在について考えたりもするが、それ以上に自分自身のことを考える時間が多い。色々な角度から自分という人間を見て、色々な考えを持つ自分に気づく。
 私はそんな宗教の時間があまり好きではない。自分って何だ、と考えるあまり、自分という人間が分からなくなったり、自分の冷たく小さな面に気づいてしまったりするからだ。プライドの高い私にとって、自分の冷たさや小ささと向き合い、これも自分なのだ、と認めることは、かなりの勇気がいることなのだ。
 けれど最近、現実の自分を否定し続け、逃げてばかりでは、理想の自分に近づけないのではないか、と気づいた。私にとって宗教の授業は理想の自分と、現実の自分との闘いの場だ。やはり宗教の授業は好きではないけれど、自分という人間を好きになるために、もう少し、現実の自分の姿と闘ってみようと思う。

Name kameno : 09:13 AM | comments(15) | trackbacks

ペット供養は宗教活動?収益事業?

ペット供養は収益事業 寺院への課税認める

 ペット供養は「収益事業」に当たるとして課税されたのは不当として、愛知県春日井市の寺院「慈妙院」が、税務署に計約670万円の課税処分取り消しを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁の加藤幸雄裁判長は24日、原告の請求を棄却した。
 原告側弁護士によると、ペット供養で課税をめぐる判決は初めて。
 判決理由で加藤裁判長は、ペット供養の依頼者は宗教的意義を求め、供養は人の葬祭の形式を踏んでいると認定したが、「原告は料金表などを定めて支払いを受けており、民間業者と料金システムが類似。依頼者と原告は、料金の対価としてサービスを受ける関係にある」と述べた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050324-00000068-kyodo-soci


さて、まず、基礎的な面からみていきましょう。
公益法人としての宗教法人が行う収益事業の考え方は、次のとおりとなっています。

■公益法人等とは、財団法人、社団法人、宗教法人、学校法人など、特別法により設立された法人のことです。つまり、宗教法人は、宗教法人法により設立されている法人です。

■公益法人等の収入は、
非課税とされる「非収益事業」「宗教活動」「公益事業」
課税対象となる「収益事業」
とに分類され、収益事業に対して課税されます。

■収益事業の範囲は、次に示された33の事業をいいます。

収益事業とは、次の33の事業(付随して営まれるものを含む)で、継続して事業場を設けて営まれるものをいう(法人税法第2条、施行令5条1項)、としています。

1.物品販売業 2.不動産販売業 3.金銭貸付業 4.物品貸付業 5.不動産貸付業 6.製造業 7.通信業 8.運送業 9.倉庫業 10.請負業 11.印刷業 12.出版業 13.写真業 14.席貸業 15.旅館業 16.料理店業その他の飲食業 17.周旋業 18.代理業 19.仲立業 20.問屋業 21.鉱業 22.土石採取業 23.浴場業 24.理容業 25.美容業 26.興行業 27.遊技所業 28.遊覧所業 29.医療保険業 30.洋裁 和裁 着物着付け 編物 手芸 料理 理容 美容 茶道 生花 演劇 園芸 舞踊 舞踏 音楽 絵画 書道 写真 工芸 デザイン 自動車操縦若しくは小型船舶の操縦(以下 技芸という)の教授 31. 駐車場業 32.信用保証業 33.その他工業所有権その他の技術に関する権利又は著作権の譲渡又は提供を行う事業

■公益法人の収益事業については 25%、平成14年4月1日以後開始した事業年度については 22% の税率が適用されます。

■公益法人等の寄附金の損金算入限度額は、収益事業から生ずる所得の 20%とされます。
収益事業部門から非収益部門への支出は、寄附金とみなす(みなし寄附金)ことになっています。

■収益事業を営まなくても、住職や従業員等に支払われる給与には源泉徴収義務が生じます。


今回の司法判断は、ペット供養が宗教活動ではなく、収益事業と認められたということで、一見、きわめて意外な判断のように見えます。
古来から、日本人は動物や樹木などの生物に限らず、石や地面、水など無生物のものに対しても崇拝の対象としてきました。
ましてやペットについては家族同様に暮らしてきたわけですから、丁重に供養したいという要望はあるのでしょう。

ただし、今回の司法判断の重要なところは、
☆料金表などを定めていた
☆したがって、依頼者と寺院は、料金の対価としてサービスを受ける関係にあった

というところです。
葬儀や法要の費用は通常、布施ですから、お気持ちで…としか言いようがありません。
目安を…と聞かれても、それは、やはりお気持ちで…ということになるのでしょう。
逆に明確な定価を表示すると、それは宗教活動から離れてしまい、料金の対価と判断されてしまうわけです。

ですから、法要の際に御寺院さんへお布施を封筒に入れる際は、「読経料」ではなく、あくまでも「御布施」としていただいたほうがよろしいと思います。

さて、名古屋地方裁判所は、ペット霊園について収益事業と判断しました。
であるならば、寺院運営の面からみれば、ペット霊園にかかわる人件費、火葬炉の原価償却義、燃料費、その他諸々の経費を切り分けして、収益事業会計で独立させればそれで済む話です。
むしろ損金が多数発生して収益事業会計の利益はほとんど無くなるかもしれません。非課税事業として処理するよりは、収益事業として処理したほうが、寺院会計にとって健全な方向に向かうかもしれません。

ただ一点、家族同様にすごしてきたペットに対する供養が、宗教活動ではないと判断される点、この点だけは、宗教者としてとても残念な判断です。
これが拡大解釈されていき、あらゆる供養が費用の対価とみなされてしまうことです。

では地鎮祭は?ご神木の供養は?人形供養は?
宗教活動と収益事業の区分けは明確に出来ない部分が多いからです。

Name kameno : 02:50 PM | comments(12) | trackbacks

アスクルに学ぶ文具業界の流通革命

先日は、ハイパーマーケットの明暗について書いてみましたが、今日はここ数年で大きな変化をしている文具業界について考えてみます。

個人商店が、スーパーやコンビニ、さらにはハイパーマーケットのような大型店の進出、さらにはインターネットなどによる直販の普及により、競争で負けて撤退してしまう事例は多く見られます。中間業者排除による流通の変化です。

文房具屋さんも同様です。
思い返せば、学校の周りなどにいくつか文房具屋さんがあったのですが、今はほとんど店舗を見かけなくなりました。
どうなってしまったのでしょうか。

実は、文具業界は、他の業種と比べて独特の変化を遂げているのです。その流通の変化について、アスクルの例で考えてみます。

アスクルとは、文具・オフィス用品の通信販売で急成長を遂げている会社ですので利用されている方も多いでしょう。
https://www.askul.co.jp/

アスクルの「売り」は、社名の由来となった、注文した商品が翌日届く(明日届く=明日くる)ということなのですがであるが、東京・横浜・大阪などでは、なんと注文当日に届いたりします。
しかも2500円以上であれば無料配送されます。

アスクルの母体はPLUSであり、自社製品の通信販売がそのスタートとなっていますが、次第に取り扱い製品をライバル会社の製品にまで広げ、そればかりでなく食品や生活雑貨など、実に約19000アイテムに及ぶようになりました。


さて、冒頭で文具業界は、他の業種と比べて独特の変化を遂げていると述べましたが、中間業者排除の観点からアスクルを見てみると他の業種と少し特徴的なことがあるのです。
具体的には、営業・配送・受付業務を外部の企業と分担しているという点です。
従来の文房具の流通の仕組は、
   メーカー⇒一次卸⇒二次卸⇒小売⇒消費者
というようなものでした。
もしも、アスクルがメーカーと顧客との直接カタログ販売をおこない、
   メーカー⇒消費者
という構図になると、卸と小売の排除が起こり、既存の小売店の営業を阻害したことでしょう。

けれども、文具業界では単純な中間業者排除を行うのではなく、代理店としての役割分担を提起しているのが特徴です。
http://www.askul-net.com/askul-business.html
↑こちらに、その流通のしくみが分かりやすく図解されています。

つまり、全国1600の文具小売店と提携(エージェントと呼ばれます)し、料金回収と訪問営業を業務委託しているわけです。この点で既存の文具小売店を共存関係としてうまく利用していることがわかります。

代理店となった小売店は、従来の顧客をに対し、アスクルの営業活動を委託して行ないます。そして通信販売の売り上げを伸ばすということが、同時に小売店の利益に繋がるという新たな関係を築きあげていったのです。
そしてアスクルへ発注された商品の代金は、再び小売店が集め、その一部が小売店の利益となる構図なのです。

まとめると、
【顧客の新規入会からカタログ配送まで】
顧客からの発注⇒全国100万箇所の事業所へ⇒全国1600社のエージェントへ⇒アスクルへ登録依頼 ⇒ アスクルから顧客へカタログ発送
【発注から料金回収まで】
顧客からアスクルへFAX・インターネットで注文⇒アスクルから顧客へ商品配送⇒アスクルから顧客へ請求書発行(送付代行:アスクルからエージェントへ請求⇒エージェントから顧客へ請求)⇒顧客からエージェントへ支払い→エージェントからアスクルへ支払い

ということになります。
見かけ上は、エージェントの姿は表に現れないので、あたかもアスクルと顧客との二者間の単純な取引のように見えます。

アスクル エージェント でグーグル検索すると、大体その構図がつかめます。
http://www.google.com/search?hl=ja&rls=GGLD%2CGGLD%3A2003-50%2CGGLD%3Aja&q=%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%80%80%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%88&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=

なお、エージェント第一号は、東京の山崎文栄堂です。
平成5年当時、ごく普通の文具店であった山崎文栄堂は、数年間赤字経営が続いており、当時設立されたばかりのアスクルと事業提携をするようになりました。周囲からは、かなりの猛反対があったそうです。
それから9年が経過し、売上はエージェントになった当初から約25倍になり、全国のエージェントの中で、トップ5の常連となっています。
新しい流通構造の変化が、単純に中間業者排除にはならずに、新たな中間業者としての枠組みの構造を生じているのが面白い発想だと思います。

オフィス用品のように、購入したいものが予め明確になっているようなものは、カタログをみながらまとめて発注する方が顧客にとって便利です。
わざわざ文具店に出向いて必要なものを購入したりする必要もない。翌日に確実に届けられるという利便性も従来の流通では考えられなかったことです。また、2500円以上で商品配送料無料ということは中小事業所にとっても発注しやすい設定となっているといえます。
文具マーケットは1.4兆円とも言え、75%が法人向けと想定され、30人未満の事業所は実にそのうちの95%。
アスクルの分かりやすい発注の仕組みは、このような顧客層にまさにうってつけだったというわけです。

アスクル側は、インターネット上のカタログに掲載するための商品企画・開発、価格決定、カタログ製作、注文受付、在庫管理、商品発送、料金回収、クレーム処理が主な仕事となりますが、コア業務を行っている社員はわずか100名余であって、その数十倍もの周辺業務要員が存在するわけです。中段で述べた構図のように、これらが有機的に結びついて一体となった運営をおこなっている訳です。

アスクルが急成長を遂げ、かつ、高い顧客満足度を得る結果となっている理由には、カスタマーズリレーションシップマネジメントを1元管理して徹底的に行っているからといえます。また、物流システムの徹底的な整備によって、注文から発送までの時間を限りなく短くすることにより当日配送をも可能としているのです。

メーカが始めた通信販売はこれまでの文具(現在では事務用品全般、電化製品、食品、飲料なども含まれる)流通を大きく変えました。情報技術を使うことで、何種類もの商品の仕分けを早く正確に行い、運送会社による全国翌日配送、小売店に委託した顧客対応と営業力、新しい枠組みによる効率的な流通システムの再構築によって新しい構図を作り上げています。

アスクルは、有力文具小売店をはじめ様々な業態から参加したエージェント(代理店)とアスクルが一体となって、互いの長所と短所をカバーし、有効な機能だけを結び合わせる共存共栄の画期的な流通システムを展開することにより成功した企業の最たる事例といえます。

以降、文具業界だけでも次々と似たような仕組みが出来上がってきました。
【同様の主な文具企業】
ぱーそなるたのめーる(大塚商会)
http://www.p-tano.com/
カウネット(コクヨ)
http://www.kaunet.info/
イーサプライ
http://www.e-supply.co.jp/


企業間でそれぞれの力を組み合わせて、強靭な流通のしくみを作るという流れは、今後、様々な分野で進展していくことでしょう。

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アスクルのカタログはこんなに厚い。
見ているだけでも楽しいです。
askul.jpg

カタログが送られれくる度に、顧客の心をつかむサービスが付加されていることに驚かされています。
最近注文した発注リストが挟み込まれていたり・・・

(注意:決してアスクルの宣伝ではありません。貞昌院では同様のものも公平に利用しています。あくまでも先駆的な事例としての記載ですからご了承ください。)

Name kameno : 09:59 AM | comments(2) | trackbacks

ハイパーマーケットの明暗

カルフール、国内8店舗をイオンに売却へ 週内にも発表

カルフールは00年12月、千葉県の幕張に1号店を出店。南町田(東京)、狭山(埼玉)、東大阪(大阪)、尼崎(兵庫)など首都圏と近畿で8店舗を展開している。大量仕入れによる安売り販売の手法で外資系大手スーパーとして初めて日本市場に進出したが、業績が低迷し、昨年以降日本からの撤退を検討していた。
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/art-20050309220342-JCFCXKWQEF.nwc

昨日のニュースです。
カルフールは1959年にパリで創業した巨大なセルフサービス店であり、ハイパーマーケット(売場面積2,500平方メートル超の食品主体のセルフサービス店舗)の元祖とも言われます。
鳴り物入りで日本に進出しましたが、その幕切れはあっけないものでした。

そういった「暗」がある反面、元気なハイパーマーケットもあります。
その代表格が、コストコホールセールでしょう。

子供が通っている幼稚園のお母さん方には大変な人気で、グループ買いなどをしたりします。
割合近くに店舗があるので、早速行ってみました。

まず、コストコとは??という方は http://www.costco.co.jp/ をご参照ください。
主な特徴は
■コストコホールセールは、会員制の倉庫型店舗。
■入店時に写真つき会員証の提示が必要。
■会員はゴールドスターメンバーとビジネスメンバーの2種類。
■出店時にレシートと購入した商品の照合が行われる。

会員制ですから、会員証をまず作ります。
貞昌院でビジネスメンバーに入ってみました。

20050310-4.jpg

ハイパーマーケットは、車で行くことが前提になりますから、駐車場も整備されていて、大型のカートで直接店舗から駐車場まで運ぶことが出来ます。
最初に駐車場から店舗に入ると、まず店舗内部がやたら大きいことに驚かされます。
まあ、倉庫型の店舗ですから当然といえば当然ですね。

売っている商品の単位が一桁違いますので、買い込むには相当の覚悟が必要です。
日本製のポテトチップとかも、こんな大きな袋詰めは初めて見る・・・という驚きで、最初は十分楽しめると思います。

アメリカなどは、一週間分の食料品を買い溜めして冷蔵庫に突っ込んでおくといいますが、いかにも「アメリカの大量消費文化」を象徴するような店舗です。
日本の普通の家庭では、とても消費できる単位ではありません。
パンとかも36個入りとか、肉がキロ単位とか・・・・・・

逆に、レストランとかを経営している人にとってはとてもありがたい店ではないでしょうか。
それと、冒頭に述べたグループ買いですね。

かなり買いこんでしまったのですが、特にジュースとパン類はおすすめかもしれません。
見かけの大雑把さとは裏腹に、とても美味しいです。

20050310-2.jpg
ジュースは1ℓ×12個が一単位で売っています。南アフリカ産。単価はかなり安い。

20050310-3.jpg
アップルパイ。見かけはあまりよくないのですが、焼きリンゴがたくさん入っていて美味しい。
(これを食べながら書込みをしています)

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コストコは、単なるハイパーマーケットではなく、Membership WholeSale Club=会員制の卸問屋であり、本来は飲食業や小売店、企業をターゲットにしていました。
それが一般消費者にターゲットを広げて現在の形になりました。
ゴールドスターメンバーよりビジネスメンバーの方が会費が安いという所に、その本来の特徴を垣間見ることが出来ます。

安さの秘密は、物流コストと人件費の大幅な削減が大きな要因になっているようです。
つまり、倉庫=売場であるため、出荷された商品が、工場出荷時状態でパレットごと積み上げられること、商品売場に人員をほとんど配置しないという大胆なコストカットを行っているわけです。
さらに、商品点数を絞り、ロットを大きくすることによって客一人当たりの購入単価を増やし、大量販売に徹することが出来ます。

また、年会費は高めに設定されているため、消費者は何度も通って元をとろうとする心理が働くでしょう。
(これを会員制カードによる「メンバーシップ・ロックイン」効果といいます => ロックインについてはQWERTYのトピックスでも出てきましたね )
コストコとしても、年会費がかなりの収入源になるため、低い粗利益率を実現でき、限界に近い低価格が実現されています。

今までの日本型の小売店の常識を覆す特徴を兼ね備えているといえるでしょう。
このような倉庫型のハイパーマーケットが日本に根づくのか、それともカルフールのように一時的なブームに終わるのか。
推移を見守って行きたいと思います。

Name kameno : 10:06 PM | comments(0) | trackbacks

使い辛いものをわざわざ使う理由

今、一所懸命このブログの文章を打ち込んでいる、御馴染みのキーボードですが、左上からQWERT・・・と並んでいるために、QWERTY配列と呼ばれます。
このキーボードの歴史は、タイプライターの歴史までにさかのぼり、レミントン社が生み出した配列です。
なぜこのような配列になっているのか・・・・
これは人間工学的に最も指が疲れないように工夫されたわけでも、英文の単語の出現頻度を調べて効率の良い配列にしたわけでもありません。

驚くことに、配列を工夫して打ちやすくしするとタイプラーターを速く打ってしまうため、印字アーム部分が絡み付いてしまうのを防ぐよう、わざわざ打ちにくいように配列してあるのです。 (注1)

便利なタイプライターは生活・仕事上で重要な位置をしめ、一般社会に普及していきます。

時代はやがて、タイプライターからコンピューターへと移り変わり、機械的に印字アームが絡みつくという制約が無くなりました。

打ち辛いQWERTY配列は廃れてしまったでしょうか????
答えはもちろんノーですね。

実は、タイプライターからコンピューターへの転換期には、 Dvorak Simplified Keyboard のように、効率的で打ちやすい新しい配列のキーボードが幾つも生み出されていました。
しかしながら、結局デファクトスタンダードとして残ったのは、QWERTY配列キーボードだったのです。
 

ここで、QWERTY配列キーボードの歴史を改めて振り返ってみましょう。

1867年 Christopher Latham Sholes と Carlos Glidden, Samuel W.Soule らが ABC 順にキー配列したタイプ式ライティング機を特許申請。
1867年 James Densmore が加わり、キー配列を、印字棒の絡み合いがなるべく少なくなるよう研究し、現在の4段 QWERTY配列に近いものが出来上がった。
1873年 QWERTYキー配列を採用したE・レミントン社のレミントン機が発売された。
1873~1880年代初めには、QWERTY 配列のキーボードは、米国で 5000 台程度の普及であった。
1872年 テレタイプ機の基礎となった電機回転式印刷装置が登場し、印字棒がからむ問題は回避される機械が開発された。このころ、ハモンドやブリッケンズダーファーのタイプライターは、Idealキーボードのように、QWERTYよりも打鍵しやすいキー配列を採用していた。
1880年代 タイプライターブームにより、QWERTY に対抗するキー配列が数多く提案されていく。
1880年代後半 キー入力として、それまでは数本の指で打鍵していたが、10 本の指を使う「タッチタイピング」が出現。タッチタイピングの習得手段として、QWERTYキーボードが広く使われだした。
1890年代 タイプライター産業は、国際標準として、 QWERTYキーをもったタイプライターを事実上標準化した。
1936年 ワシントン大学の August Dvorak 教授により、打鍵効率が格段に向上した DSK配列を開発・特許を取り普及に努めるが、すでにQWERTキーボードの勢いをとめることができなかった。
1970年代 コンピュータの出現により、業界紙の中で QWERTY を捨てる呼びかけがあったにもかかわらず、QWERTY は相変わらず使い続けられた。

では、なぜ、QWERTY配列キーボードが廃れなかったのでしょうか。

このような現象は、「ロックイン」「スイッチングコスト」「サンクコスト」というキーワードで答えを見出すことができます。

キーボード入力は、習熟を必要とする入力装置ですから、これを、サンクコストの観点から見てみると、
「サンクコスト」とは、ある程度早く入力できるようになるために費やすトレーニングコスト といえます。
このコストは、一度投資してしまったら、回収不可能な費用でありますから、一度使い始めたキーボードに対して費やされたサンクコストの膨大さを考えると、それまで慣れしたしんで使っていたキーボードを放棄して、新しい配列のキーボードに乗り換えることに、大きな抵抗を感じます。
従って、タイプライターからコンピューターへの転換期にあたって、たとえ機械上の制約から解き放たれたとしても、依然として「わざと使いづらくした」キーボードを使い続けることになるわけです。

「ロックイン」とは、その製品の他に、互換性がないような技術や製品のことを指します。
ある製品を導入して、その後ライバル製品が現れたとしても、いまさら新しいものに切り換えることが困難になってしまう現象であり、これによって消費者が不利益を被る場合も多々あることでしょう。

「スイッチング・コスト」は、今使っているものから、新しい製品に切り換えるのために費やされる費用をいいます。スイッチング・コストが高くつくのであれば、消費者は他の製品にたやすく乗り換えることはできません。
 
これらの足かせは、製造業者・導入企業・タイピストそれぞれにどのような影響を与えているかを考えてみます。

(1)製造業者
 どのような配列のキーボードを製造するかを検討する段階で、需要の多い、一番普及している種類のものを選ぶことでしょう。一度 QWERTY配列に決定したら、別の型のタイプライターに転換するためには多少なりともコストがかかってしまうし、売れるかどうかも不明確でリスクが大きい。

(2)導入企業
 一番普及している配列のキーボードを導入すれば、タイピストが幅広く、安価に募集できる。逆に、マイナーなキーボードを採用すると、キー入力の習得のために、教育をしなければならないかもしれない。トータルとして、多少入力効率が悪くても、タイピストの確保や、教育の間作業が滞ることなどを考慮すると、一番普及しているものを採用するのが当然でしょう。

(3)タイピスト
 特定の配列に慣れてしまった場合、仮に他のキー入力へ変更するためには、トレーニングする時間と労力がサンクコストとして余計にかかってしまう。したがって、初めに習得する際には、より広く通用する、つまり一番普及している方法で習得しようと考えます。

結果として、三者とも最も普及しているキー配列を促進する方向に進んでしまうのです。

このように、キーボードのような、今まで使っていた製品から別の製品に替える際に必要となるコストは、新規投資費用、サンクコストの他に、リスクなどの心理的費用等がかかることになり、これらの費用(すなわち、スイッチングコスト)が大きければ大きいほど、今まで使っていた製品から他のものへ移ることが困難となります。
 このように、一度選択されてしまうと、それ以降の変更が困難になり、将来の選択肢が規定されてしまうこと、これがロックイン効果であり、QWERTY配列が未だに幅広く使われていて、他の優れた配列のキーボードを排除してしまうメカニズムなのです。

世の中、全てが効率的な方向に進むものとは限らないのですね。

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注:⇒この「打ちにくくすることを意図した・・という表現には異論もあります
 http://www.sixnine.net/keyboard/qwerty.html
 http://homepage1.nifty.com/cura/oya/kb_arguments.html
 などを併せてご参照ください。
 けれども、少なくとも、最も効率的なキー配列でないはずです。
 さらに言及すれば、日本語の「ローマ字入力」をする場合には、とてつもなく入力し辛いキー配列であることは間違いありません。
 
 もしかしたら、打鍵速度を抑制したというより、単純に遊び心で適当にキー配列を決めたのかもしれません。
 だって、タイプラーターって単語をキーボード上でたどってみてください・・・・TYPEWRITER・・・・・全部上の段ですよ。(88へぇ)

Name kameno : 11:45 PM | comments(18) | trackbacks